「アルティメット」アメリカのプロチームと対戦して感じたこと

世界大会・海外遠征
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんばんは。バズバレッツの能勢です。

USOPENから帰国後バタバタしており久しぶりの投稿になります。

約2週間休んでいましたのでまたボチボチ更新していこうと思います。

さて、今日は7月30日から8月6日まで行っていたアメリカ遠征の中での、AUDLのプロチームと試合をしたときに感じたことを書いていきます。

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AUDLとは?

AUDLとはAmerican Ultimate Disc Leagueの略称で中西部6チーム、東部6チーム、南部5チーム、西部4チーム、計21チームからなるプロリーグです。現在2人の日本人選手が在籍しています。

今回遠征の中で、中西部のチームであるMinnesota Wind Chillとショーケースゲームを行いました。

AUDLの試合を現地で観戦するには入場料が必要となります。当日もUSOPENに参加予定の日本女子チーム「HUCK」の方も観戦にきていましたが、入場料を支払って観戦したそうです笑。

WFDFルールとAUDLルールの主な相違点

ツイッターでも少し紹介していましたが、AUDLでは独自のルールが採用されています。

主な相違点は以下の通りです。

  • レフェリーがいる(全てのジャッジを行います)
  • 12分4クオーター制(プレー中のみ時間進む。今回のショーケースは時間の都合で30分2クオーターランニングタイム)
  • ダブルチームあり(トリプルチームは10ヤード罰退)
  • ブザービートあり
  • ファール 10ヤード罰退
  • トラベリング 10ヤード罰退(2015年時はターンオーバーでした。)
  • タイムアウト取得後選手全員交代可能
  • ストールアウトは7カウント(レフェリーによりカウント)
  • コートサイズはアメフト同様
  • 得点後40秒でスローオフ

微妙な違いがあったら申し訳ないのですが以上が大きな相違点となります。

より得点が入りやすく間の時間も短く「魅せる」ためのルールになっているという印象です。

特に対戦中苦しんだルールがダブルチームありというところで、4回ほどターンオーバーしてしまいました。

クラブチームとのプレースタイルの違い

今回対戦したMinnesota Wind Chillにはその後行われるUSOPENにSub Zeroで出場するメンバーも数人いました。

同じ人たちがプレーしているのにスタイルは全く違うものでした。

自分たちが感じたプレースタイルの違いは以下の通りです。

  • プロ・・・ガンガン打ってくるダイナミックなプレー
  • クラブ・・・コツコツ繋いで確実に点をとる

USOPEN期間中にバズの選手がサブゼロの選手と話する機会があり、「プロのショーケースゲームでの戦いとクラブチームでの攻め方に大きな違いがあったのはなぜか?」と質問したら以下の回答があったそうです。

「プロでは魅せることを優先するけど、クラブチームでは勝つことを優先するから。」

これを聞いてプレーの大きな違いに納得しました。そしてアメリカ人はそこまでして徹底してプレースタイルを変えられるんだなとも感じました。

通用したディフェンス

プロチームにも通用したディフェンスについて紹介します。

ズバリ、変化球系のディフェンスです。しかもハーフコート等の奥がない状態からのディフェンス。

マンツーマンでもサイド、バック、奥ケア、ミートケア色々組み合わせましたが、なかなか止められませんでした。

その中でもターンオーバーが起きた確率が高かったのは「ハーフコートマンツーマン」とその場の思いつきでやった「ハーフコート1−3ゾーン」でした。

「ハーフコート」はその名の通りスローオフを投げてチェックに行かず、奥のシュートをない状態から守るディフェンスです。

ゾーンディフェンスの「1−3」もオールコートだとコートが広すぎて、守るのが大変だったため、ハーフコートからやるようにしました。

プロ的に「魅せる」観点からいくとバズのこの守り方はどうかなって気はしますが、アメリカ人も普段あまり見る事のない守りだったので楽しんで貰えたのではないかと思います。

アメリカには ultimateが普及している

今回の試合を通じて感じたことは、「ultimate」が普及しているという事です。

ショーケースゲームは現地の水曜日18時過ぎから行われましたが、普通に観客が入っていました。

普通のど平日の夕方に試合あるから観に行こうと観客が集まるのは本当にすごい事だと思います。

しかも””お金を払って””です。

日本でやったとしてお金を払ってでも観たい試合ってどんな試合ですかね?

それだけ「 ultimate」が認知されているのかなと感じました。

根付いているディスク文化

今回の遠征で驚いたのはアメリカ人が「 ultimate」と聞いて「何それ???」とならない事でした。

日本では9割5分の人が「何それ???」ですがアメリカは逆でした。

入国時手荷物検査のおじさんも、レンタカー受付のおじさんも、宿のスタッフさんも、レストランの店員もみんな知ってました。

さらに驚いたのは、そこらのお店でディスクが普通に打っている事です。


アメリカ最大級のショッピングモール「モールオブアメリカ」のおもちゃ屋さんにて発見

田舎町のショッピングモールのおもちゃ屋さんにて発見

ディスクゴルフ用がメインでしたがスポーツショップにもディスクは売ってました。(ゴルフ用ディスクを9ドルで購入しました。)

これだけアメリカにはディスクの文化が根付いているんだなと感じた遠征でした。

まとめ

今回プロチームと久々に対戦して大きく感じたことはやはり

アメリカ人は徹底する能力に優れている

ということです。

つまり””自分のやるべきことを理解しそれを100%やりきる””能力が高いということです。

役割分担自体がしっかりしているのかわからないですが、ルールや環境によってプレースタイルを変えたりすることができるということは、やるべきことを変えているということだと思います。

この考え方はなかなか日本人にはできないのかなと感じています。

おそらく日本にプロリーグがあっても、バカバカシュートを打ち合うという風にはならないような気がします。

プロにはプロのやり方があるのだなと感じた遠征でした。

トライアウトを受けて選考をパスすることが出来れば、みなさんにもプロ選手になれるチャンスがあります。

現在日本人プレイヤーは2人ですがもっともっと挑戦する人が増えてくれば日本でもAUDLの認知度が上がるかもしれませんね。

それではまた。