おはようございます、長らく休止していた朝活が日の出が早くなったことで勝手に戻ったバズバレッツの雷人です。
週末土日はかなり暑かったですね。本格的な梅雨明けの中、練習だったチームも多かったことと思います。
しっかりと暑さ対策をして、今年の夏も乗り切りましょう。
さて、今日は「アルティメットにおいてディフェンスは自分と同じポジションのオフェンスについたほうが良いのか?」というテーマで書いていきます。
久々の質問回答型の記事です。
質問いただきました。
ディフェンスは自分のポジションのディフェンスをついたほうが良いと思いますか?
それともTO後の速攻を考えてシュートを打てる人がミドルやディープのディフェンスをするなどの戦術はありますか?
誰しも一度は考えたことある問題ですね。
すごくいい思考だと思います。
今日はこちらの質問に私個人の意見を書いていきます。それぞれ考え方があると思いますので、今回の記事では1つの考え方として参考程度にして、ぜひ自分自身の頭でも考えてみてください。
アルティメットにおいてディフェンスは自分と同じポジションのオフェンスについたほうが良いのか?
アルティメットには主に「ハンドラー」と「ミドル(ディープ)」というポジションがあり、それぞれ何が得意かによってポジションが決まったりします。
チーム事情によりポジションが変わることもありますが、多くの人がどちらかのポジションをメインにプレーしています。
細かい動きや投げるのが得意という人やあまり走るのか得意でない人はハンドラー、走るのが得意で投げるのも結構できる人はミドル、シュートレシーブが得意な人やあまりスローが得意でない人はディープといったような感じでポジションが決まっていくこともあります。(あくまで一例です。)
それぞれ自分自身のポジションがある中で、ディフェンスでマンツーマンをするときに同じポジションのオフェンスについた方が良いのか?というのが今回の質問です。
私の結論としては、「場合による」です。
なんとも幅をもたせた逃げた回答になっていますが、理由を解説していきます。
ディフェンスの目的から考える
今回の問題を考えるには、チームとしてディフェンスの目的をはっきりさせておく必要があります。
毎回毎回何も考えずにディフェンスするわけではないはずです。1ターン1ターン目的を決めてディフェンスをしていると思います。(関連記事「チーム戦略やコンセプトを共有することの重要性」「ディフェンスにおける戦術の組み立て方」)
どういった目的でディフェンスをするかや、ターンオーバー後にどうやってブレイクポイントを取りに行くかを考えると、自然と今回の逆のポジションにつくのが良いかが決まるはずです。
その前に違うポジションのディフェンスをすることのメリットとデメリットを考えておく必要があります。
違うポジションのディフェンスをすることのメリット
自分とは違うポジションのオフェンスにつくことで発生するメリットがあります。
大きなメリットとしては質問者さんの言っている通りで、ターンオーバー後のオフェンスでミスマッチが生まれたり、スムーズな速攻ができるようになる可能性があります。
ハンドラーがミドルのディフェンスをしていて、コート内でシュート以外のターンオーバーが起きた時(ミートや展開などでのミス)に、ミドルのポジションにシュートの打てるハンドラーがいれば拾ってすぐさまシュートを打つという速攻が可能になります。
また、シュートレシーブ能力のあるディープの選手がハンドラーを守っていて同様のターンオーバーが起きた時も同じことが言えます。
この時、特にハンドラーについていたディープとしてはミスマッチが生まれることもあります。(ハンドラーはあまり足が早くない人がやっていたり、ミドルのディフェンスが得意でないこともあるため)
オレンジが最初DFで青がミートのパスをミスするシーンです。
もちろんこんな都合よくターンオーバーが起きるとは限らないのですが、イメージとしてはこんな感じになります。
質問者さんの狙いはここで、多くの人が作戦として思いつくところだと思います。
ゾーンのカップを背の高い人がやったりするのは、単純にパスコースが少なくなるだけでなく、ターンオーバー後の速攻で奥でシュートレシーブしやすいからという理由があるというのもこれと同じことが言えるでしょう。
簡単にやられてしまっては本末転倒
メリットだけを見ると「名案」っぽいのですが、デメリットももちろんあります。
それは逆のポジションにつくことで、ちゃんとやられるということです。
逆のポジションについてやられてしまっては本末転倒になってしまいます。
ディフェンスとしてはターンオーバーを起こしてブレイクしたいのに、簡単に点を取られてしまったら元も子もありません。
やるのであれば相手にバレないように作戦実行する必要がありそうです。
アルティメットはオフェンス有利のスポーツなので、オフェンスのメリットを取りすぎるがあまりディフェンスがおろそかになって簡単に相手に点を取られてしまうなんてことにならないように注意しましょう。
どちらもやれる方が良い
とは言えやはりどちらのポジションのディフェンスもやれることに越したことはありません。
もちろんどちらかのディフェンスでスペシャリストになれば、そこは任せてもらえて試合に出るチャンスは増えるはずです。
「ハンドラーのディフェンスは誰にも負けない」「ミドルのディフェンスでカットできる」と言った自信がある場合はその得意なところ(自分の土俵)で戦った方がチームのためになると思います。
ですが、初めて試合をするチームだと情報がなくてわからないこともあるので、両方やれた方が良いです。
初めての相手で情報がない相手だと、誰がハンドラーか見極めるまでに2〜3ターン要すると思います。そこまでで大やられしないためにも両方できる方が良いですね。
他の人がやれるかどうか?
また、7人の中で1人だけ逆のポジションのディフェンスができますという人がいても、その逆のディフェンスができる人がいなければ成立しないこともあります。
この作戦を実行するには複数人が逆のポジションをディフェンスできる必要があるかもしれません。
しかできないは思い込み
日本人の特性なのか、決められたポジションしかディフェンスできませんという人は少なくありません。
もしかしたらこれを読んでいるあなたもギクッとしたかもしれませんね。
ただ、「やったことない」と「できない」は違います。
誰しも最初は初心者です。今のポジションも最初からできたわけではないはずです。
であれば、逆のポジションを守って、変なやられ方をされない(ハンドラーがミドルについて奥ケアなのにシュートレシーブされて得点されるなど)守り方ができるのであれば、それは「できる」と言えるはずです。
マンツーマンディフェンスには守るべき優先順位があるので、優先順位を守って最低限守るべきところを守る”無難なディフェンス”ならやれるのではないでしょうか。
ぜひ次の練習では違うポジションのディフェンスにチャレンジしてみましょう。
チームの戦術としてやれるかどうか
そもそものディフェンスの目的やコンセプト、メリットやデメリットを踏まえて、チームの戦術としてやれるかどうかで質問者さんの回答になると思います。
なので私としては「場合による」としか言えないのです。チームの状況はそのチームによってまちまちで抱えている問題も違うからです。
自分たちのチームで考えて、ブレイクポイントをどうやって取るかを考えて、ターンオーバー後の速攻でそうやって点を取ろうということがチームで共有できていれば試す価値は大いにあります。
そういった自分たちで考えた作戦が決まったときはチームが盛り上がり、勢いが出て試合の流れを引き寄せることができます。
自分たちで考えた作戦は相手チームは知らないのでなぜ盛り上がっているのかは知ることはできませんし、何より自分たちで考えた作戦が決まった時の喜びはそのチームだけのものです。
他のスポーツでもそうですが、この辺がアルティメットの楽しいところの1つです。
実際にやるならどうするか
私がもしこの作戦を実行するならどうするか考えてみました。
- シュート力のあるハンドラーをあまりディスクに絡んでこないハンドラーにつかせる。
- レシーブ能力のある(足が速いか上競りが強い)選手をハンドラーの足が早くないか背が高くない選手につかせる。
- それぞれ逆のポジションについた2人の選手には、大きくチームに痛手にならないようなディフェンスをするようにしておく。
- チームの守り方としてはマンツーマンでミドルは奥ケア。ハンドラーはタイトに。(シュートを打たれてしまうと速攻しにくいため)
- ハンドラーのパスカットやパスミスか、ミドルへのミートのパスをかさませてミスを誘いつつ、最悪エンド前で粘ってターンオーバーを狙う。
- ターンオーバーが起きたら、なるべく早くシューターがディスクを保持して、レシーブ能力のあるミドルにシュートを打つ。(この時他の選手はひとまずスペースあけに徹する)
と、誰でも思いつきそうな作戦ですが、あとはやれるだけの人材がいるかどうかと、頭で理解して7人で実行できるかどうかです。
ターンオーバーが起きても点が取れない、なんていう場合は試す価値はあるかもしれません。
ただデメリットを十分潰した上でやらなきゃ本末転倒になるのでご注意ください。
まとめ
というわけで今日は「アルティメットにおいてディフェンスは自分と同じポジションのオフェンスについたほうが良いのか?」というテーマで書いていきました。
ケースバイケースだと思うので、絶対その方が良いとは言えないところですが、面白い試す価値のある作戦です。
まずは「ハンドラーのディフェンスしかできない」「ミドルのディフェンスしかできない」と自分の可能性を閉ざすことなく、新しいポジションにチャレンジしてみましょう。
アルティメットを始めた時みたいに。
というわけで今日はこの辺で。
ではまた。