こんにちは、雷人です。
連日猛暑が続いていますね。まだ6月だというのに・・・これからが心配です。
さて、今日は先日閉幕した2025WU24UC(世界U24アルティメット選手権大会)の配信動画20試合を観た個人的な感想についてレポート記事を書いていきます。
あくまでも個人的感想でこういうことを感じたという記事になります。
チームジャパンの成績は素晴らしいものでしたし、選手・スタッフは本当に頑張ったと思います。お疲れ様でした。
というわけで早速いってみましょう。
全体感
まず全体感として感じたこととしては、簡単なキャッチミスやスローミスでの取りこぼしが多い印象でした。
これは日本に限ったことではありません。海外チームも同じです。
U24の大会は海外チームも含め、結構自分たちのミスでのターンオーバーが多く起こります。
今大会はヒートブレイクが取られるほどの猛暑+人工芝という環境での試合だったため、見た感じかなり選手はきつそうな印象がありました。
暑さや疲労から来る判断力の低下や、精度の低下、世界大会での緊張が影響していることも十分考えられます。
ただやはり「スロー」「キャッチ」についてはアルティメットの基礎の基礎なので、この部分は日本としても普段の練習から意識して行く必要があると感じました。
ルールの理解とコミュニケーション
オフサイドの再開方法や、ピック後の対応など、少しルールの理解が甘い部分があるかなと感じました。まだアルティメット歴の短い部門なので多少仕方ない部分ではありますが、もう少し日本全体としてもルールの理解を深める必要があるかなと思いました。
また、コール後の当事者同士の話の場面でも、日本語で相手に主張する場面も見られましたが、相手は日本語話者ではないので、最初の導入部分「I think…」だけでも話しして、英語で伝えたいけど伝えられないから通訳を呼ぶという姿勢を見せることも大事だと思いました。
あとは議論する時はサングラスは外したほうが良いですね。日本人選手はサングラス着用する選手が多いですが、コールに対する議論の際はサングラスを外して相手の目を見て会話する事が大事です。
通訳が入った場合も、通訳の方ばかりを見ながら喋ると相手から「私に話しして!」と思われる(これ過去言われた)ことがあるので、きちんと議論する相手の目を見て意見を述べる方が良いですね。
半歩抜けたところに出す信頼関係
レシーバーが抜けていてもパスを出し渋る選手が多いとも感じました。
抜けているところにパスを出さないことでカウントがかさみ、短いところでの回収に落ち着いてしまう場面が多くありました。
出したらカットされるかもしれないという心理もわかります。半歩抜けたレシーバーの胸に投げ、手ミートでキャッチする。「投げたら取ってくれる」そういった信頼関係を築いていけると、世界大会でもパスが前に前に出るようになると思います。
準優勝のウィメン部門
続いて準優勝したウィメン部門についてです。
ウィメン部門はこのU24カテゴリーでは過去大会でも好成績を残しており、今回も準優勝という成績となりました。
ウィメンについてはベスト4のチーム(アメリカ・日本・イギリス・カナダ)と、それ以外のチームの実力差が結構大きいと感じました。
昨年U20で優勝したフランスがウィメン部門不参加だったので、次回以降はこの構図は少し変わる可能性があります。
もちろんアメリカは圧倒的な強さを見せてくれましたが、日本も前半の手前のミスからのブレイクがなければもう少しチャンスがあったかもしれません。後半の連続ブレイクは見事でした。
3セット運用
他国との実力差もあるのである程度余裕を持ってセット運用ができる中で、ウィメンはセットを3つに分けて運用していたと思います。(違ったらすいません)
そんな中で勝負どころのセットではそのセット分けとは関係なく、強いメンバーを揃えて勝負するアメリカ戦の終盤のような運用をしていました。
決勝戦までに疲労を分散することが出来る一方で、セットを解体した際の連携の部分が少し足りなくなるリスクもありますが、基本的な考え方は個人的には理解できます。
セット割以外の連携の部分も他の試合で調整していたと思われますが、やはり強国相手と実力差のある相手だと少し違う対応になってしまうのかもしれません。
若い世代の台頭
今回OFセットには大学2年生の清水選手や高校生の吉田選手が入っており、若い世代が活躍していました。
清水選手はGONAでの経験もあり、吉田選手は大和のユースチーム所属の選手です。
このようにユースからの経験者がどんどん世界で活躍していくことが、他のユース世代に刺激を与え良い相乗効果が生まれてきます。
社会人1年目や大学4年生が多い中、本当に素晴らしい活躍でした。今後の若い世代にも期待しています。
オープン部門5位
オープン部門は前回同様5位に終わりました。
他の部門よりも他国との実力差も大きくないので、一番戦績を残すのが難しい部門だと思っていますが、よく最後まで戦ってくれたと思います。お疲れ様でした。
優勝したアメリカは決勝戦15-6でベルギーに勝っており、その他の試合も全く寄せ付けないほどになっています。9試合行って41点しか取られておらず1試合平均4.5失点なので、相当差があります。
アメリカ1強に次いで、ベルギー・カナダ・イタリア、その後に日本が続いている状況で、今回はベスト4のチームとは少し実力差があったかなと感じました。
とは言えチャンスが無かったとも思わないので、次回はまずベスト4の壁を超えられるよう準備してほしいと思います。
スローフェイクが多い
オープンの試合を観て一番思ったのは、スローワーのフェイクが多すぎることです。
個人的にはフェイクは最小限にするべきだと思っています。フェイクが多すぎるとレシーバー側もいつパスが出てくるか想定できず、パスが出た後に合わせようとする選手にもズレが生じてしまい、パスが単発になってしまいます。
ホライゾンOFは連動やディスクの流れが大事ですが、フェイクをしすぎてパスが出るところに出ず、リズムが生まれないという悪循環に入ってるなぁと思いました。
ミドルへのパスレンジが短い
オフェンスセットはホライゾンをやっていましたが、1本パスがミドルに出た後のミドルの合わせが近いところにあり、少し窮屈そうな印象でした。
ハンドからのシュートは精度よく通っていたと思うので、ミドル-ミドルのシュートを狙って、なければミートというような、2手目の合わせの精度を上げていればもっと良いオフェンスができたんじゃないかと思います。
結果的にハンドラーの回収や短いパスがメインになってしまい、大きなOFができなくなってしまっていたような気がします。
ゾーンオフェンスに課題
ゾーンオフェンスも課題があったように思います。
近年、日本全体(特に大学生)としてゾーンオフェンスがいまいちうまく行っていないと思っています。
それがそのまま今大会でも出てしまったかなと。
もっとミドル同士やハンドラー・ミドル同士がポジションを循環しながら相手DFやスペースを動かしたり、ハンマーやチョップなどのパスを出して打開できるように練習する必要があります。
これは日本全体の課題だと思っているので、またどこかで解説記事を書きます。
ミックス部門5位
ミックス部門もベスト8でアメリカとの対戦となってしまいメダルを逃しましたが最終5位で着地しました。最終順位を高いところで終わっておけばまた次回大会でのリーグが変わってくるので、また次回メダル獲得に向け頑張っていきましょう。
ミックス部門もアメリカ1強で危なげなく優勝しており、その後にカナダ・フランス・シンガポール、そして日本と続いていきます。
日本としてはベスト8のトーナメントに入る位置さえ変わっていればメダル圏内というところだったと思います。パワープールのカナダに勝っていればというところでしたが、ここら辺の実力差は拮抗しているように感じました。
パスが短く負担が偏った
ミックスのオフェンスはメンバー構成的にもGONAの選手が多かったため、GONA特有のショートパスを中心に組み立てられていたように感じました。
GONA特有のオフェンスもあれはあれで一つの正解だと思いますが、他のメンバーがフィットしきれなかった部分があり、結果として彼らの負担が大きくなってしまった気がします。
相手のレベルが上がった時に、ディスクに近い選手がDFに捕まってしまい、苦しいパスを強いられる場面も多くありました。
何が正解ということはないのですが、ちょっと見ててしんどそうだったこととセカンドオプションが欲しいなぁと印象を持ちました。
それでも最後まで彼らがディスクを繋ぎ、得点を重ね、最後まで走りきっていた事は素晴らしいと思います。
若い世代の台頭
ウィメン同様こちらも若い世代の台頭がありました。
私が指導しているABLAZERS所属の荒波選手やOFにも入っていた有働選手はまだ高校3年生です。
2人とも高いスキルがあり、強さを持った選手なので、これからの日本を背負っていく中心選手担ってくれると思います。
どこの大学へ行くのか進路が楽しみですね。
次のステージ、次の世代へ
今大会参加した代表メンバーは是非次のステージであるA代表にも挑戦して欲しいと思います。
また、自身の経験を自チームに持ち帰り還元してチームの強化を進めて欲しいです。
そうすることで日本全体のレベルはアップします。
まだまだ日本は強くなれる。そのためにも今大会戦ったメンバーがこの大会をここで終わりにするのではなく、次のステージ、次の世代へ繋いでいきましょう。
まとめ
というわけで今日は2025WU24UCを観た感想を書いてみました。
ちょっと改善点的な方にフォーカスがあたってしまいましたが、次回以降のU24に役に立てばと思います。
今回大会に出場されたメンバーの皆様、帯同したスタッフの方々、国内で支えたスタッフの方々、本当にお疲れさまでした。
感動を頂きました。ありがとうございました。
また前を向いてチームジャパンとして進んでいきましょう。
ではまた。