こんにちは、雷人です。
今年もあっという間に12月に入りましたね。時の経過が年をとるごとに速くなってきている気がしますが、気のせいでしょうか。
2024年もあと1ヶ月、やり残しのないように過ごしたいものです。
さて、今日は「WFDF2024世界マスターズアルティメット選手権大会(2024WMUC)総括」というテーマで世界大会の振り返りをしていこうと思います。
大会から2週間経っていますので少し記憶が薄まっているところもありますが、思い出しながら書いていきます。
最終順位4位
すでにご存知かと思いますが、まずは結果から。
私の出場したマスターオープン部門では最終順位は4位となりました。
メダルも持ち帰ることができなかったことがとても残念であります。個人的にクラウドファンディングを行ったこともあり、たくさんの人に結果で恩返ししたかったのですが、形ある結果を残すことができず申し訳ない気持ちでいっぱいです。
大会開始時のランキングは4位だったので現状維持という結果に終わってしまいましたが、なんとか世界ランキングを落とさない順位は死守することができました。
対戦成績
大会通しての対戦成績は以下の通りです。
11/10 | 11:00~ 予選リーグ vs GBR 10-15× | 15:00~ 予選リーグ vs GER 15-11○ |
11/11 | 11:00~ 予選リーグ vs AUS 13-14× | 15:00~ 予選リーグ vs VEN 15-2○ |
11/12 | 11:00~ 予選リーグ vs USA 15-14○ | 15:00~ 予選リーグ vs NZL 15-6○ |
11/13 | 9:00~ 予選リーグ vs CAN 9-15× | 13:00~ 予選リーグ vs COL 12-10○ |
11/14 | 11:00~ 予選リーグ vs IND 15-6○ | 17:30~ 準々決勝 vs AUS 15-12○ |
11/15 | 11:00~ 準決勝 vs USA 7-15× | 15:30~ 3位決定戦 vs GBR 12-13× |
日本よりもランキングが下のチームにはしっかりと勝利することができました。
オーストラリアに関しては予選で負けてしまいましたが、準々決勝で勝つことができベスト4入りを果たすことができました。
また大きなニュースとしてはオープン部門としては20年ぶり?となる、アメリカに勝利するという劇的な試合もありました。結局準決勝で再戦した際にタコ殴りにされるという仕返しが待っていましたが、世界を驚かせるニュースを届けることができたかと思います。
しかし、海外チーム(特にアメリカ)については、予選とトーナメントでの力の入れ具合が違うので、トーナメントで勝ってこそ本当の勝利だなという感じました。
とはいえ「アメリカに勝ったことがある」というのは他に経験している人がほぼいないということで、良い経験値として自分の中に留めておきます。
マスター世代のアルティメット
これまでA代表やバズバレッツで世界と戦ってきて、今回初めてマスター世代の世界大会に参戦しましたが、各国やはりマスター世代はちゃんとマスター世代でおじさんになっているんだなと感じました。
というのも、明らかにゲームの後半になるにつれて走力が落ち、プレーの質が下がるということが顕著に出ていました。
そもそも一線でのプレーを離れている人が多い中なので、A代表やクラブのトップチームよりもミスは多かった印象があります。
その中でも最初に対戦したイギリスについては大会初戦ということもあり、疲労もない中での対戦となったので、全くミスがなく付け入る隙がほとんどありませんでした。
イギリスとの再戦は3位決定戦でしたが、その時はすでに疲労も溜まっており別チームになっていたので戦えたし、あと一点取れていれば勝利というところまできていました。
素晴らしかったのはカナダで、決勝戦ではアメリカとの対戦でしたが前半は強いDFでアメリカのオフェンスを封じ込め圧倒する場面がいくつかありました。
とはいえやはり両チーム疲労が見られ、満身創痍の戦いをしていたように思います。
日本の走力
マスターオープン日本代表が上位3チームに付け入る隙が全くなかったかというとそうではないと思っています。
全体的に見ても日本チームは少しだけ平均年齢も若く、走れる選手が多かったように思います。
自分たちはDiscordを使って日々のトレーニングを報告しあっていましたが、本当にみんなよく走り込んでいました。
その効果は大会後半になればなるほど大きくなっていたように感じるので、4年後のマスター代表についても「走力」というのは大事にしてトレーニングしてほしいなと思います。
積極的インジャリー
マスター世代独特だったのが「インジャリー」での交代です。
それも当たり前のように戦術として利用している場面が多く見られ、これはSOTG的には良くないなぁと思いながら対戦していました。
例としてはDFの時はDFの能力が高い人間(ダイブカットできるような人)を入れておいて、ターンオーバーが起きたタイミングでインジャリーコールを発動し、OF力のある人を投入してくるという感じです。
本当にインジャリーなら納得できるのですが、それが何回も起きていたりさっきインジャリーした人が次のターンでピンピンした状態で戻って来ているなんてこともありました。笑
ルール的には問題ないといえど、ちょっとどうなのって気はします。この辺は今後日本としては真似して欲しくないところだなと思いました。
多くの再会
長く続けて世界大会に出ていると、多くの再会があります。今回のWMUCでも当然懐かしの再開が多くありました。
初めて世界大会に出場した2010年のWU23UCで決勝戦で対戦したカナダの人や、何度も対戦したモーガンや、2014WUCCレッコで対戦したジャスティン、リングオブファイヤでハンドラーをやっていたマチューカなどなど、試合じゃない場面でも久々に会った人は多く、改めて自分が多くの世界大会に参加させてもらってディスクを通じて世界に知り合いや友人(友人と呼べるかは微妙だが)がいるんだぁと感じられた大会でした。
すでに世界大会に行ったことある人も、これから行く人もそう言った楽しみを感じながら世界大会に挑戦してほしいなぁと思います。
せいじの存在
今回マスターオープン日本代表には一人の小学生が帯同していました。
2016WUGCでもチームメイトだった佐藤そうき選手の息子さんで小学4年生のせいじです。
せいじ自身もすでにアルティメットを始めていて、アクティブというユースチームで活動しています。
そんな彼は大会が始まって早々にチームのジャグを本当に献身的に運んでくれました。得点が入る度に誰よりもはやくコートに飛び込み、出場していたメンバーに水を運び「飲む?」と聞いてくれました。
最初はただ「パパの世界大会についていく」という程度のものだったと思いますが、気が付けばしっかりとチームの一員になっていました。
最後の試合3決でイギリスに負けてしまった時も、せいじが泣いているのを見ると涙を我慢することはできませんでした。
きっとこれから彼も日本を背負って世界に出ていくと思います。
そんな時はいろんな場面から全力で応援しようと思っているので、皆さんもぜひその機会があればご協力ください。
感謝が尽きない世界大会
最後になりますが、今回世界大会に心身ともに健康な状態で参加できたのはクラウドファンディングでご支援を頂けた皆様のおかげです。
支援がなければ気持ちにもどこか余裕のない状態での参戦になっていたと思います。
皆様からのご支援のおかげで、渡航費や宿泊費のほとんどを賄うことができ、大会に集中することができました。
この場をお借りして改めてお礼申し上げます。本当に多くのご支援いただきありがとうございました。
今後も日本代表選手がクラウドファンディングに挑戦した際は、少しでも支援いただけると嬉しいです。
アルティメット界にもっと支援の文化が広がることを願っています。
最後に
最後になりますが、今回一緒に戦ったメンバーを誇りに思います。2月に選考会で集まった時は自分を含め全く世界で戦える状態ではありませんでした。
そこからいろんなものを犠牲にし家族の時間を削ってトレーニングを重ね、成長していけたと思います。
おじさんになっても一緒に青春できたことは、人生の財産になりました。ありがとう。
また、今大学生の皆さまや社会人でアルティメットを続けている皆様にはぜひ長くアルティメットを続けていただいて、このマスター日本代表も目指してほしいなと思います。
A代表になれなかった人でも、この世代なら代表になれる可能性は十分にあるし、何より世界一を目指せるカテゴリーでもあると感じました。
ぜひ、長くアルティメットを続けて世界一に挑戦してみてください。
というわけで本日はWMUCの総括でした。
ではまた。
WMUCマスターオープン日本代表
能勢雷人