オリンピックを意識?新種目 アルティメットフォーズ

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能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、本日ようやくワクチン接種1回目を受けるバズの雷人です。

最初に予約が取れたのは大会期間中でしたが、体調管理記録との兼ね合いで大会後に変更しまていました。ほとんどの人が副反応に苦しんでいるので超絶受けるのは嫌ですが、とりあえず行ってきます。

さて、今日は「オリンピックを意識?新種目 アルティメットフォーズ」というテーマで書いていきます。

アルティメットがオリンピック入りできるのか?

アルティメットフォーズはその難題をクリアするための1つの打ち手だと思ったので今回紹介することにしました。

2028年ロサンゼルスオリンピックでの種目入りを目指しているので、アルティメットでオリンピックに出たいと思っている今の大学生やユース世代にとっては結構重要なニュースだと思います。

というわけで個人的主観も入りますが、解説していきます。

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オリンピックを意識?新種目 アルティメットフォーズ

WFDF(世界フライングディスク連盟)は2021年10月23日にフライングディスクの新種目として4人制で行うアルティメット「Ultimate 4’s(アルティメットフォーズ)」の公式ルールを発表しました。WFDFの記事はこちら(WFDFホームページより抜粋)

記事の冒頭を翻訳すると「スポーツの本質的な品質を維持しながら、時間、スペース、またはアスリートの割り当ての制約に直面するイベント用に開発されました。」とあります。

個人的にはこの4人制アルティメットがフライングディスクの正式種目にしたのは、オリンピックが背景にあると思っています。

本文中にも「Olympic Games in LA28」という言葉があり、WFDFの主張からもオリンピックを意識している種目であることは明らかであると感じています。

また、「The showcase format of Ultimate 4’s」とあることから、より「見せるスポーツ」としての側面を強くしているものと見てとれます。

まずはルールから確認してみましょう。

Ulitmate 4’s(アルティメットフォーズ)の基本的なルール

新種目「アルティメットフォーズ」のルールは以下の通りです。

  • 6人のメンバーからなるチームとの男女混合の4対4で行う(ミックス)
  • 前後半18分の時間制
  • ストールカウントは7秒
  • フィールドサイズは縦75m、幅25m。エンドゾーンは縦15m、セントラルゾーンが45m(サッカーコートにキツキツで4面作れるぐらいのサイズ感)
  • 芝生でもビーチでも同じルール

となっております。

あとの基本的なルールは7人制のアルティメットと同様のルールになると思いますが、新設種目なのでやりながらルールは追加・改善されて行くことでしょう。

少ない人数で短い時間でコンパクトに行われ、得点の上限なく時間いっぱいプレーが続くという感じで、見ている人に飽きさせない設計になっているようです。

1チーム6人でコートでプレーするのは4人なので、基本的には交代がほとんどできずフル出場するぐらいの感覚になります。さらにこれがビーチとなると相当体力的にハードな種目になりそうな感じがします。

人数制限はオリンピックを意識

WFDFは従来の7人制アルティメットではなく今回4人制アルティメットを正式種目にしてIOC(国際オリンピック委員会)にアピールしていくものと見られるわけですが、なぜ7人制ではダメなのでしょうか?

今回4人制にした理由は「コンパクト」と「スピーディ」が鍵だと思っています。

まず人数の面での制限について話をします。

選手村のキャパシティ

アルティメットがオリンピックの種目入りを目指す上で、人数制限は大きな壁になっていました。

理由は明確でオリンピックを開催する側の(大きなところで言うと選手村の)「キャパシティ」の問題です。

オリンピックでは各国から多くのアスリートが集まり、その多くを大会期間中選手村へ収容します。ところがこの選手村のキャパシティもあり、団体競技を追加するとなると、マンションを一棟増やすぐらいの変更をかけなければなりません。(ちなみに私も前職の営業で東京オリンピックの選手村の24棟の建設のうち6棟に関わっていました。)

予想にはなるのですが、団体競技はオリンピックの追加種目に選ばれにくいと言う側面はこういったところから影響を受けているところもあると思っています。

現状ワールドゲームズの人数は1チーム(国)で男女合わせて13人程度だったと思うので、4人制の6人にすることで、参加国1つにつき人数を半分まで抑えることができます。

参加国がどれだけになるかわかりませんが、30の国と地域が参加するとしたら、従来(1チーム13人)だと400人程度だったものが、4人制になると約180人になります。

あくまでスタッフを含まない選手の数にはなりますが、4人制にすることでこれだけ人数を減らすことができるので、IOCにもアピールしやすくなるということになります。

会場のキャパシティ

また、7人制アルティメットのコートサイズは縦100mの横37mと言う中途半端に大きなコートで、サッカー、ラグビー、アメフトなどのコートを使っても一面しか取れないコート設計になっています。

そうなると多くの広い会場が必要になります。そこで4人制のアルティメットではサッカーコートに4面すっぽり収まるような設計にしたのだと思います。(横幅キツキツになるので現実的には3面かな)

1つの会場で4面取ることができれば、一度に8チームが試合をすることができますし、移動等も楽です。

1つの会場で1面だけであれば同時に2チームしか試合できません。より多くの人に人に観戦してもらうと言う面でも、1つの会場で多くのチームが同時に試合をしている状況を作れるコートサイズにしたのだと思います。

時間も短く、スピーディーに

時間についてもかなり短くなっています。従来の7人制だと15点マッチで100分を超える試合になり、1試合に2時間ほどかかってしまいます。

4人制では18分ハーフの前後半なのでおよそ45分程度で1試合が終わる設計になっています。

こうすることで大会運営側としては、より多くの試合数を短い時間で回すことができます。

ストールカウントが短くなったことで、パス回しはどんどん早くなりプレーはよりスピーディーになるはずです。

おそらく今後のルール改定として、得点後からスローオフまでの時間も短くなったりすることも考えられます。

アルティメットフォーズのコスパは8倍?

今比べて見てわかるように、7人制アルティメットと4人制アルティメットはこれだけの差があります。

大会運営側としては7人制の場合、2時間でサッカーコート1面で1試合(2チーム)しかできなかったのに対して、4人制だと1時間でサッカーコート1面で同時に4試合(8チーム)行うことができます。

2時間だともう1クール組むことができて同じ時間同じ場所でも8試合組むことができるようになります。

単純計算なので、そんな簡単にはいかないとは思いますがアルティメットフォーズは7人制アルティメットの8倍の試合量を同じ時間で行えるということになります。

まとめ

来年行われるワールドゲームズでは従来の7人制で行われますが、それ以降2028年のロサンゼルスオリンピックに向けて徐々に4人制アルティメットが採用されていくようになるそうです。

日本では横浜のフォーズリーグや幕張でのMULなど4人制の大会もあります。そういった大会も今後このアルティメットフォーズのルールを採用するようになるかもしれませんね。

日本人のアルティメットの特徴として「スピード」と「テクニック」があると思います。アルティメットフォーズだとよりその特徴が生かされるのではないかと思っています。

2028年まで7年あります。まだアルティメットが正式に追加種目になったわけではありませんが、開催国アメリカが強豪ということもあり可能性はあります。

こうしてWFDFとしてもアルティメットを始めとするフライングディスク競技を、オリンピック種目に追加するためロビー活動を続けてくれていることと思います。

本当に楽しみです。自分は選手としては可能性はありませんが、何かしらの形で携わることができたらいいなと思っています。

企画倒れになっている埼玉での4人制アルティメットリーグもなんとか再開させられればと思っていますのでお楽しみに。

というわけで今日のところはこの辺で。

ではまた。