日本のアルティメットのディスク総量を増やす為にできることとは?

普及活動
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、雷人です。

ドル円のレートにヒヤヒヤしながら、今年の11月の遠征費をどうやって作るか考える日々を過ごしています。

そんな日々を過ごす中で昨日、飲み屋で出会った方とスポンサーの件で話をしながら思いついた話です。

協力してくれる企業があればかなり面白い打ち手になるのではないかと考えていますので、ぜひ一読ください。

皆様も良い案があったら教えていただけると嬉しいです。一緒に考えてみてください。

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日本アルティメット界の現状

私は現在日本のアルティメット界の競技用ディスク総量が、競技人口に対して少し減っていると想像しています。

ちゃんと調べたわけではないのであくまで自分の想像の範囲です。

そう思う一つの要因は、日本フライングディスク協会(以下JFDA)主催の公式大会でアルティメット競技用のディスクが参加賞として配られなくなったことです。

アルティメットで使うディスクについては両チームが同意していればどのディスクでも良いというルールがありますが、現状日本や世界で一番扱われているのはディスククラフト社の「ウルトラスター」です。

しかし、現在JFDAの公式大会の参加賞で配られているのは、ファーストバックと呼ばれる小学生低学年が使うようなディスクになっています。

JFDAとしてはコロナで借りた借金5000万円の返済もあり、各大会でのコストを下げることとファーストバックの総量を増やすことでユース世代に多くディスクが渡るようにという狙いがあるような気がするので、これはこれで理解はできます。

ウルトラスターが1枚2,000円に対してファーストバックは数百円で作ることができるので、大会運営のコスト削減としては効果があると言えます。

このことは理解できるのですが、競技者としてはファーストバックをもらっても練習で使うわけでもなく、かといって近くに渡せる小学生もいなければ使い道がなく、行き場を失ったファーストバックは家に複数枚溜まっているのではないかと考えています。

今後しばらくJFDAが参加賞でウルトラスターを配ることは考えにくいので、何か他の方法でウルトラスターの総量を増やさないといけないと考えています。

ボロボロのディスクで練習に励む大学生

今日もクリニックで関東の大学の練習を見に行ったのですが、そこで使用しているディスクは傷も多いボロボロのディスクでした。

おそらく多くの大学で同じように傷だらけのディスクを使って練習をしているのではないでしょうか。

大学生もなかなかチームでディスクをまとめて買うお金も捻出できず、傷んだディスクで仕方なくそのまま割れたりするまで使い続けているんだと思います。

傷んだディスクは微妙にグラム数も変化してしまうし、やはり綺麗なディスクで練習したいというのが本音でしょう。

自分自身もこの問題はなんとかしたいと思っているし、多くのチームが綺麗なディスクで練習することが少しでも日本のアルティメット競技力の向上につながっていくとも思っています。

ではどうやって1枚2,200円するウルトラスターを各チームに配ることができるのでしょうか?

広告として企業にディスクを作ってもらう

そこで一つ考えてみたのが、「広告として企業にディスクを作ってもらう」という打ち手です。

ウルトラスターには盤面に直径18cmほどの広告スペースがあります。

ここに企業のロゴや企業名を入れてもらって、ディスクを多めのロット数(例えば100枚とか)で作成してもらいます。

そしてそのディスクを希望する大学に配る、もしくはディスクスポンサーという形でアルティメットのイベントの際に参加賞として各チームに複数枚配布します。

企業HPのQRコードも盤面に入れておくと、「今回ディスクを作ってくれた企業はどんな企業なのかな?」とディスクのQRをスキャンしてその企業のことを調べてくれるきっかけにもなります。

イメージはこんな感じ

一言メッセージとして「企業名〇〇は、アルティメットを応援しています」とか入ってると、プレイヤーとしては愛着が湧いてくると思います。

もしかしたら就活生がその企業にエントリーする可能性も出てきます。

これを実現することができれば

  • 企業:会社のPRができる。アルティメット競技を応援できる
  • 大学生:綺麗なディスクで練習できる。企業に感謝しながらプレーできる。就職先としての選択肢が増える
  • ディスク生産者:売り上げが上がる

という三方よしの状況が作れるんじゃないかなと思っています。

ディスクを作ってくださった企業様が享受できるリターンが少ないので、どれだけアルティメットの将来性を説明できるのかというところにかかっていますが、この辺はまた後日まとめます。

2024年4月23日追記
競技の将来性について以下の記事にまとめてみました
アルティメットの将来性について考えてみる

ディスクを作成する予算は?

ここで企業からすると、どのぐらいの予算でディスクが作れるのか?という疑問が出てくると思います。

アルティメットのイベント運営をしたり、ユニフォームやグッズなどを販売している株式会社クラブジュニアのサイトによると、センタープリントのもので、「50枚以上:1,980円(税込)/1枚」となっています。

枚数が増えれば値引きも交渉できるかもしれませんが、単純に上記の金額で枚数と予算の関係は以下の通りになります。

参考:クラブジュニア カスタムディスク制作ページ

100枚作って20万円ぐらいと言うのがおおよその予算になります。

これプラス、デザイン費用や送料などもあるのでもうちょっとプラスαでかかるイメージ感です。

PR効果としてはどのぐらいになるか

あくまで想定の話になるのですが、PR効果を考えてみます。

例えば、20万円のコストで100枚のディスクを作成して、このディスクを大学の20チームに5枚ずつ配ったとします。

各大学チームの部員数としてはまちまちですが、大体20名ぐらいと仮定すると、

20チーム×20人=400人

となります。

400人にPRできるということを多いとするか少ないとするかは企業側の判断にはなります。

ただ、一度配布したディスクの使用期間に注目すると、綺麗なグラウンドで使っていれば半年ぐらいは持ちますし、河川敷などで使っていても3ヶ月ほどは持つでしょう。

毎回の練習で企業名を目にするので、大学生にとってはその企業名を他の場所で見かけることになった際は「あ、ディスクを支援してくれた会社の〇〇さん」ということになるので、広告の効果としてはかなり濃いものになると感じています。

5枚でも新しいディスクをもらえたら大学チームとしてはかなりありがたい話になるので、企業に対する感謝の気持ちも芽生えてくるはずです。

その企業のことを調べたり、その企業が展開するサービスを利用するようになる可能性もあるので、間接的に利益になることもあるかもしれません。

地域に根ざした企業なら地域のチームに還元

例えば埼玉の企業がディスクを作ってくれた場合は、埼玉のチームに優先して配布するようにすれば、よりその企業に対する愛情は湧いてくるのではないかと思っています。

全国展開の企業であれば全国的に配布するようにするとか、この辺はマッチングサービス的な感じにして上手く設計する必要があります。

地域に根ざした企業がその地域のチームを応援していることが目に見てわかれば、支援されたチームのメンバーやその保護者などの関係者はその企業のサービスを利用する可能性は高くなりそうです。

そうすればWin-Winの関係も築くことができそうですね。

支援を受けた大学生チームがやるべきこと

もしもこの企画に賛同してくれる企業が現れて、実現したとしてディスクを受け取った大学生チームがやるべきこともあります。

ただ受け取って「わーい、ディスクもらったよ。ありがとうございます。やったー」では、次にまたその企業が継続してディスクを作ってくれる可能性は減ってしまいます

なので、大学生チームはディスクを受け取ったらやるべきこととして

「企業名〇〇様より、ディスクの支援をいただきました!ご支援いただきありがとうございます!このディスクで日々の練習に精進します!」

といったような内容で、各種SNS等に投稿することで、ディスクを作ってくれた企業に対して感謝を伝える必要があります。

そうすることで、ディスクを作った企業も支援してよかったなと思うでしょうし、また作ってあげようかなと思ってくれるかもしれません。

また、そのSNSを目にした他の人にも「〇〇という企業はアルティメットを応援してくれているんだな」ということが伝わります。

そうなってくると先ほど算出した「PR効果=400人」に加えて、深度は浅いかもしれませんが各チームのSNSフォロワーへの広告効果も期待できます。

チームだけでなく、各プレイヤーが個人アカウントでもちゃんとお礼の投稿をすれば、リーチできる総数はもっと多くなり、アルティメット関係者以外までその企業のことをアピールすることができますね。

年間で大学生一人に1枚ずつ配りたい

大きな理想を言えば一年ごとに大学生一人ひとりにディスクを一枚ずつ配ることができれば最高です。

現在大学生アルティメットプレイヤーは3,000人を超えています。

3,000枚のディスクを作るとなると、600万円の予算が必要になりますね。。。

1社で600万円というのは厳しいかもしれませんが、複数社集めることができれば実現不可能ではない数字のように思えます。

とはいえここは最高到達点だと思うのでもう少し現実的なところを考えてみます。

各チームに10枚配るパターン

大学のチーム数で言うと、2022年時点で男子チームが83チームで女子チームが64チームあり、合計で147チームです。

150チームだとして各チームに10枚ずつ配布したいとなると、1500枚になり予算としては300万円。

20万円の予算で100枚作ってくれる会社を15社探す。これはアルティメット界全体でめちゃくちゃ頑張って営業していけば無理な数字ではない気がします。

各チームに5枚ずつであればさらに半分の予算で実現可能です。

いずれにしてもマンパワーだけではかなり難しいとは思うのでやるとなると、総力戦が必要だと思います。

これまで大学アルティメットをやっていて卒業した人たちは、各地にいていろんな会社で働いていると思うので、そういった人が所属する会社に掛け合ってみてこんなのどうですかって話をしていけばいけそうな気がしませんか。

まとめ

飲んでる最中の思いつきにしては悪くない企画だと思いますが、果たしてどれだけの企業に刺さるかは全くわかりません。ほとんどがスルーされて終わりになることは容易に想像できます。

誰でも思いつきそうなことですし、誰かがやっててもおかしくない企画ですが、これまで実現されていないと言うことは何かやってない理由があるのかもしれません。。。

でも何もしなければ何も変わりません。今まで通り日本のウルトラスターの総量は増えず、大学生ボロディスクでアルティメットの練習をすると言う状況のままになってしまいます

ちょっと色々動いてみようと思います。動いてみることでわかる問題もあるだろうし、改善点も見つかるかと思います。

今日の記事を読んでいただいた方の中で、ちょっとそれ面白そうだから話してみませんかと言う企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひお問合せいただけると幸いです。



    いや〜実現したい。まずは1社50枚でも良いから実績を作ることができれば大きく何かが変わりそうな気がします。

    法的には問題ないのかな。なさそうですよね。詳しい人いたら教えてください。

    また、他にもこんな案どうですかってものがあれば連絡ください。

    よろしくお願いいたします!

    ではまた。