こんにちは、自転車で10分で着くのに徒歩+電車で30分かかる会社に勤めているバズの雷人です。
大会参加のために行っていた1ヶ月にも及ぶ体調管理記録をしなくて良くなったのですが、なんだか毎日そわそわしています。これから大会に参加される大学生の皆さん、入力漏れや入力ミスは容赦無く会場入りできませんのでご注意くださいませ。
さて、今日は「19年ぶりに女子アルティメット界の歴史を変えたスワンピーバーグ」というテーマで書いていきます。
19年ぶりに女子アルティメット界の歴史を変えたスワンピーバーグ
先日行われた文部科学大臣杯第46回全日本アルティメット選手権大会のウィメン部門の決勝戦でその歴史は動きました。
決勝戦は昔っからお馴染みの競合チームであるMUDと、近年力をつけてきたスワンピーバーグとの対戦で、2年前の決勝戦と同じ対戦カードとなりました。
最終的なスコアは15ー12でスワンピーバーグが一度もブレイクを許すことなく初優勝を果たしました。
これが19年ぶりに歴史が変わった瞬間です。
長らく日本の女子アルティメット界を牽引してきた「MUD」「UNO」「HUCK」以外のチームが全日本選手権を優勝するのは、2002年に日本体育大学が優勝してから実に19年ぶりだそうです。
ここまで3強時代が長く続き、女子アルティメット界を引っ張ってきたのは間違いなくこの3チームであることは間違いありません。
ただ最近ではスワンピーバーグに加え、マーベリックスもそこに名を連ねるようになってきて、いよいよ歴史が変わるかもと感じていたところで今回のスワンピーバーグの優勝がありました。
改めてスワンピーバーグのみなさま、おめでとうございます。
苦しく長い道のり
確かスワンピーバーグの結成は2014年だったかと思います。2013年のU23の世界大会で準優勝したメンバーで日本体育大学の卒業生を中心に結成されたのがスワンピーバーグです。
それまでの日体生は社会人になってアルティメットを続けるとなると、MUDかHUCKのどちらかに入るというような流れがありました。
そこで自分たちで新しくチームを立ち上げて、立ち向かっていく覚悟を決めたのが歴史の始まりだったのかもしれません。
大人たちから心ない言葉を突きつけられながらも、歴史に立ち向かい進んできました。
結成から数年は思うようにメンバーが集まらず、9〜10人で全日本選手権や各大会を戦い、ボロボロになって日曜の夕方を迎える彼女たちの姿は見てられるものではありませんでした。ですが、どこか希望に満ちたその目は輝きを失うことはありませんでした。
徐々にメンバーも増え、創設メンバーの経験値もついてきたところで強豪の3チームにもだんだんと勝つことができるようになってきて、そして創設7年目?にして悲願の初優勝を果たしました。
過去記事でも書きましたが、個人的に創設メンバーは大学2年生の頃から知っている中で、妹のように思っていたので優勝を聞いたときは本当に嬉しく思いました。
本当に苦しくて長かったと思います。
ひとまずお疲れ様でしたとお伝えしたいです。
スワンピーバーグの強さ
トーナメントの点差や決勝戦での3点という点差をみると、他のチームに対して少しスワンピーバーグが1歩リードしているような印象を受けます。(個人的にアルティメットの3点差は点差以上の力の差があると思ってます)
映像としては決勝戦の動画しか見ていないので、わからないことも多いですが、ここではスワンピーの強さについて触れてみたいと思います。
強い1対1のオフェンス
オフェンスは基本スタックを採用していて、左右に空いたスペースで一人ずつミドルが勝負してきて1対1を仕掛けてくるスタイルのオフェンスをしていました。
ミドル陣の1対1が強く、流石に日体大の血が流れているチームだという感じのオフェンスをしていました。
さらに素晴らしいのはオフェンスセットのディフェンス力が素晴らしく、ターンオーバー後も強いマンツーマンでターンオーバーを奪い返す力があります。決勝戦もノーブレイクだったのも頷けるディフェンス力でした。
先日書いたラスカルズさんもそうでしたが、オフェンスセットのディフェンス力は強いチームの必須条件です。スワンピーのオフェンスセットのディフェンス力も非常に強く、だからこそ思い切ったオフェンスができて安定してくるのだと思います。
ディフェンスセットの思い切り
ディフェンスセットにも思い切りがあります。ターンオーバーを起こしてしまうとシュートをどんどん打ち込んでくる怖さがあります。
さらにオフェンスで起用できる若い選手が加入したことにより、経験を積んだメンバーがディフェンスセットの核となりブレイクに貢献していました。
ターンオーバー後のブレイク力が上がったことで、点差をつけて勝つということが少しずつできるようになってきたのかなと思っています。
もう少しブレイクチャンスでのタイムアウトを上手に使っていければ、さらにブレイク率は上がるのではないかと思っています。
総合力がついてきた
オフェンスセットに若いメンバーが入り、オフェンスのディフェンスも強くなったことでオフェンスが安定して、さらにオフェンスセットから溢れた(というか元々ディフェンダータイプの)メンバーがディフェンスセットの核となってチームを引っ張るという総合力がついてきたという印象を受けました。
決勝戦もきっと点差以上の余裕がスワンピーにはあったのではないかと予想しています。
実質オフェンスメンバーがディフェンスに入るような、バズで言う1stディフェンスセット的なセットは使ってなかったように思います。
先にリードできたことでそういったセットを使わなくて済んだと言う側面もあるとは思いますが、ほぼ分業で試合を進めていたので、最後の最後は主力メンバーの体力的にもまだまだスワンピーバーグに余裕が見られたんじゃないかと思っています。
オフェンスもディフェンスも適材適所でメンバーが配置できていて、総合的な力もついてきたと思います。
これから追われる立場に
スワンピーとしてはこれまで先輩たちの作ってきた大きな大きなチームを倒すことを目標としてきましたが、これからは追われる立場になります。
追いかけるよりも追われる立場の方がきついこともたくさんあります。
その中でも負けない強さをこれから作り上げて欲しいと思います。
自分たちも男子の歴史を塗り替えられないように頑張ります。
まとめ
あまり大きな話になっていない気がしますが、19年ぶりの出来事が女子アルティメット界で起きています。
これは本当にすごいことだと思いますし、もう少し注目されるべきことだと思い今回記事にしました。
これまでMUD、UNO、HUCKが引っ張ってきた女子アルティメット界ですが、スワンピーバーグやマーベリックスという新しい勢力も加わりさらに戦国時代になってきました。
今年優勝できたスワンピーバーグも来年、いやドリームカップのような大きな大会では勝てるかどうかはわかりません。来シーズン以降は毎回優勝チームが変わる、アメリカのような勢力図になっているかもしれません。
それだけ大きな歴史の変化だと思います。今後も外から見て楽しませていただきます。
というわけでスワンピーバーグの皆さま、初優勝おめでとうございます。
来年のクラブ選手権に向けてお互い頑張りましょう。
ではまた。