2020年WFDFアルティメット公式ルールの変更点解説(前編)
こんにちは、バズバレッツの雷人です。
9月17日に日本フライングディスク協会(以下JFDA)よりルール更新についてのメールがきました。
今日はその内容の解説(前編)です。(後編記事はこちら「2020年WFDFアルティメット公式ルールの変更点解説(後編)」)
この記事を読むことで少しでもルールに興味を持ったり、少しずつでも理解が深まる方が増えてくれれば幸いです。
内容としては
フライングディスク競技 公式ルール更新について
2020年1月1日にWFDF世界フライングディスク連盟より、「2017年発行WFDFアルティメット公式ルール 付帯資料v4.0」がリリースされました。上記に伴い、当協会にて日本語訳版を公開しましたのでご確認ください。
日本フライングディスク協会からのメールより抜粋
何のこっちゃわからないと言う方もいるかと思いますので(私もまだちゃんと理解してないのでその類です)この内容についてどんな変更があったのか、理解を深めるためにも解説していきます。
頭の良い英語に達者なゲームアドバイザーの方々が力を合わせて翻訳してくれたものを、脳みそ筋肉大学出身の私が日本語を紐解いて解説してみます。(逆に分かりにくかったらごめんなさい。)
主な変更点
今回のルール改定の主要な部分についてメール本文と添付資料の「WFDFアルティメット公式ルール付帯資料v4.0」の日本語訳v1.0の公表について(SOTG委員会通知 2020-05号)には以下のように書かれています。
この中でも赤ラインを引いた部分の特にプレイヤーにとって関連性の高いものについて解説してきます。
(※2.はそのまま。おそらくLGBTを意識したもの。3.はどちらかと言うと大会運営側の問題で気にしているプレイヤーは少ないと思うので割愛。5.はミックス限定ですが、覚えましょう。)
今日は前編なのでこのうち1と4について解説します。
「タイムリミット・バイオレーション」に関する罰則
これは主に得点後の60秒、75秒を守れなかった時の話です。(前後半開始後の話もあるけどほぼあり得ないので割愛)
得点後オフェンスとなるチームは60秒以内にオフェンス準備完了合図をしなければならず、対するディフェンスは75秒以内にプル(スローオフ)を投げる必要がありますが、色々作戦決めたりメンバー決めたりでゴタゴタしたりもたもたして時間に間に合わなかった時の話です。
変更箇所⇨A5.4.5
変更点1:罰則の内容(オフェンス側のチームが反則をした場合)
自陣エンドゾーンの中心からチェックによってプレイを再開するのではなく、スローワー が公式ルール 7.9、 7.10、7.11、7.12に沿ってピボットを確定した後、タイムアウト終了後と同じようにプレイを開始します。変更点2:罰則の内容(ディフェンス側のチームが反則をした場合)
「WFDFアルティメット公式ルール付帯資料v4.0」の日本語訳v1.0の公表について(SOTG委員会通知 2020-05号)
プレイングフィールドの中心からチェックによってプレイを再開するのではなく、ディスクの落下地点に関わらずオフェンス側のチームはブリックポイントとスローオフをキャッチしたポイントのどちらからプレイを始めるかを選ぶことができます。(どちらの地点からプレイを始めてもチェックは不要)。
改定後の「A5.4.5」は以下の通りです。(赤文字は私の追記解説です)
A5.4.5. プリ・プル タイムリミット・バイオレーション後のプレイ再開について。
A5.4.5.1. 試合を通して1回目のバイオレーションコールの場合、またはバイオレーションをコールされたチームがコンテストを行った場合、罰則は科されない。オフェンス側のチームはバイオレーションコールの後(オフェンスセットが遅いですよ〜の注意)、15秒以内に準備完了の合図を行わなければならない。また、ディフェンス側のチームはバイオレーションコール(スローオフ投げてくださ〜いの注意)から30秒後、もしくはオフェンスの合図から15秒後のどちらか遅い方までに、プルを投げなければならない。⇨つまり1回目はとりあえず罰則はなし。急いでね〜って注意喚起のみって感じ
A5.4.5.2. その後、再度(2回目ね)同じチームにバイオレーションがコールされ、コンテストとならなかった場合(時間に遅れたことを認めた場合)、バイオレーションをコールされたチームはタイムアウトを取得しなければならない。タイムアウト終了後のプレイは、A5.6.(得点後にタイムアウトとった後のやつだけどすでに75秒経過しているのでここからプルまで75秒)に従って再開される。タイムアウトが残っていない場合は以下に従う。
A5.4.5.2.1. オフェンス側のチームが反則を犯している場合、通常通りスローオフは行われる。その後、オフェンス側のプレイヤーが 7.9, 7.10. 7.11もしくは7.12のいずれか(要はスローオフを受けるオフェンスのいつも通りの進め方)に従ってピボットを確定させたのち、タイムアウトがコールされた場合と同じ方法(オフェンス止まってくださ〜いのやつ)で、チェックからプレイを再開する。 ( 7.8 (プルのキャッチミス・地獄)が適用される場合を除く)
A5.4.5.2.2. ディフェンス側のチームが反則を犯している場合、通常通りスローオフは行われる。オフェンス側のチームはディスクに触れずに、ブリックがコールされた場合と同じようにブリックマークからの プレイを選択してもよい。その場合もチェックは必要としない(飛んでくるプルを無視して地面落下したディスクをブリックまで持って行って軸足ブリック上に確定したら投げて良い)。通常通りスローオフをキャッチしてプレイを始めてもよい。
2017年発行WFDFアルティメット公式ルール 付帯資料v4.0
何となく理解できますかね・・。こんな感じで進めます。
以前も記事で書きましたが、最近のルール改定は時間短縮の傾向があるので、これもその一つです。
オフサイドにおけるペナルティの変更
これはプル(スローオフ)時のオフサイドに関する変更です。2回目以降罰則があった以前のルールから1回目からオフサイドに罰則が発生します。
その罰則内容も変わっているので注意が必要です。
オフサイドのほとんどがプルを投げる側のディフェンスが犯してしまいがちなルール違反なので特にディフェンス側の話を覚えておきましょう。
変更箇所⇨A6
変更点1:罰則の対象
「2 回目以降」という回数制限がなくなり、すべての「オフサイド・バイオレーション」 が罰則の対象になりました。変更点2:罰則の内容(オフェンス側のチームが反則をした場合)
(「タイムリミット・バイオレーション」に関する罰則の内容に同じ)変更点3:罰則の内容(ディフェンス側のチームが反則をした場合)
「WFDFアルティメット公式ルール付帯資料v4.0」の日本語訳v1.0の公表について(SOTG委員会通知 2020-05号)
(「タイムリミット・バイオレーション」に関する罰則の内容に同じ)
改定後のオフサイドの処理方法は以下の通りです。
A6. オフサイド
A6.1. 「オフサイド」のバイオレーションがコールされた後、そのコールがコンテストとなった場合(オフサイドしてないっすよ〜って場合)は、プル(スローオフ)を再度投げなければならない。(ほぼないと思いますが、オフサイドをコールしたけど反則してなかった場合は今までみたいに投げなおし)
A6.2. 再度プルを投げる前、アルティメット公式ルール19.1.(インジャリー・ストップ)に該当する場合を除き、タイムアウトを取得することはできない。オフェンス側のチームは、コンテストとなったコールが発生してから【15秒以内】に合図をしなければならない。ディフェンス側のチームは、そのコールが発生してから【30秒後】、もしくはオフェンス側のチームの合図から【15秒後】のどちらか遅い方までに、プル(スローオフ)を再度投げなければならない。(要するに投げ直すのも急いでねってこと。時間短縮!)
A6.3. オフサイドバイオレーションコールがコンテストとならなかった場合。(オフサイドしてしまって認める時)
A6.3.1. オフェンス側のチームがコールされた場合(ディフェンスがオフサイドコールした場合):スローワーは 公式ルールの7.9, 7.10. 7.11 若しくは7.12に従ってピボットを確定させ、タイムアウトがコールされた場合と同様に、チェックによってプレイを再開する (7.8(プルのキャッチミス)が適用される場合を除く)⇨これがさっきの「タイムリミット・バイオレーション」と同じ始め方。
A6.3.2. ディフェンス側のチームがオフサイドをコールされた場合(オフェンスがコールした場合): オフェンス側のチームはディスクに触れずに、ブリックがコールされた場合と同じようにブリックマークからのプレイを選択してもよい。その場合もチェックは必要としない。通常通りスローオフをキャッチしてプレイを始めてもよい。⇨これもさっきの「タイムリミット・バイオレーション」と同じ始め方。
2017年発行WFDFアルティメット公式ルール 付帯資料v4.0
オフサイドを2回したら変な場所からスタートするルールがなくなりました。そしてオフサイドを認める場合は初回からアウト(罰則あり)です。
オフサイドは頻度として少なくない反則なので、しっかり理解しておく必要がありそうです。(そもそもオフサイドしないように務めることが大前提です!)
タイムリミット・バイオレーションおよびオフサイド・バイオレーションの罰則の内容
「オフサイド・バイオレーション」の罰則内容が「タイムリミット・バイオレーション」に関する罰則の内容と同じと言うことは、これをしっかりと頭で理解しておく必要があります。
オフェンスが反則をした場合
- スローオフをキャッチした時・・・スローワーはその場でストップ。それ以外のオフェンスは好きな場所に移動してストップ。ディフェンスはオフェンスが静止したことを確認してチェックしてプレー再開。
- スローオフがコート内に入ってから転がって出た場合・・・スローワーはディスクが出たサイドラインから。それ以外のオフェンスは好きな場所に移動してストップ。ディフェンスはオフェンスが静止したことを確認してチェックしてプレー再開。
- スローオフが出た時・・・ブリックスタートかディスクが出たサイドラインスタートは変わらないが、それ以外のオフェンスは好きな場所に移動してストップ。ディフェンスはオフェンスが静止したことを確認してチェックしてプレー再開。
タイムアウトがコールされた場合と同様に、チェックによってプレイを再開するというのは上記のような状態になります。(ということはスローオフダッシュしなくて良くなるね笑)
ディフェンス側がどんなスローオフを投げたとしても(たとえば極端に前に飛んでいなかったとしても)プレーの再会はオフェンスが止まった状態でチェックからスタートしなければならないということになります。
深い位置までスローオフを投げることができれば、オフェンスがキャッチした場所かディスクが静止した場所からチェックで再開なので(しかもディフェンスはしっかり準備できる)かなり有利ですね。
ディフェンスが反則をした場合
- スローオフがコート内に入る時・・・そのままキャッチしていつも通りスタート。もしくはキャッチせずにブリックまで持っていき、ブリックに軸足確定してスタート。
- スローオフが出た時・・・結局いつも通りのブリックかサイドラインスタート。チェックなし(結構チェックする人多いですが通常チェックいりません。参考記事「意外と浸透していないアルティメットのルール」)
ディフェンスのペナルティがかなり緩くなった感じはありますね。
オフェンス側としては、スローオフの質を見てブリックからスタートする方が良いと判断できるなら、スローオフを落としてブリックスタートすることができます。
オフサイドをコールしたけどスローオフがさほど飛ばずにブリックより手前で落ちた場合も、ブリックスタートになるので、オフサイドをコールするかどうかはスローオフの質を見て判断することも考えた方が良さそうです。
ディフェンスとしてはオフェンスがスローオフを取るか取らないかわからないので、どれだけ良いスローオフを投げてスローオフダッシュしても無駄になる可能性がありますね笑。
オフサイドについてはこっちの方が頻度多いと思うので、こっちは必ず覚えておきましょう。
まとめ
以上今回の2020年WFDFアルティメット公式ルールの変更点の前編としてまとめてみました。
ここまでの変更で言えるのは、今までと同様に時間短縮のルール変更だと思います。
特に覚えなきゃいけないのは「ディフェンスがオフサイドした時の罰則内容」ですね。
ルール第1章の1.3.1に「ルールを熟知していること」とありますが、みなさんルール覚えてますか?
私も正直言ってこの変更内容だけでなく、全体のルールでもまだ理解しきれてないですし覚えられていません。毎回わからないことがあれば調べたりしてます。(それでもゲームアドバイザーにはなれました)
他のルールもそうですが、繰り返しルールブックを読んでみたり、ゲームアドバイザーの人に問い合わせたり直接会場で聞いてみたりすることで少しずつ覚えて行きましょう。
一回で覚えようとしないことです。私もそうやって覚えていきました。
今日はルールの話をしていきましたが、とにかくそもそもの前提としては「ルールをしっかりと守った上でプレーすること」が大事です。
そのためにもルールの理解を深めましょう。
私自身もゲームアドバイザーとして、トップチームのスピリットキャプテンとして、恥ずかしくないように脳みそ筋肉を鍛えてルール理解を深めていきます。
後編記事はこちら
というわけで今日はこの辺で。
ではまた。