全日本U21アルティメット選手権大会本戦のGAを終えて

ルール・SOTG
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、雷人です。

3月中旬を過ぎましたが、まだまだ寒いですね。早くあったかくなってほしいものです。

さて、今日は先日行われた「第6回全日本U21アルティメット選手権大会」のゲームアドバイザーをしてきたのでそのレポートになります。

ルールの理解などを深めるためにも一読いただければ幸いです。

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全日本U21アルティメット選手権大会本戦のGAを終えて

まずはU21に出場された皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。

私自身ゲームアドバイザーをする試合は基本的には大学生選手権大会本戦か選抜予選をメインにしていたので、今回U21の大会に行くのはGAとして初めての経験となりました。

個人としてもU21の大会会場に行くことは大学四年生以来12年以上ぶりのことかもしれません。

今回U21のアドバイザーをしてみて感じたことを共有していければと思います。

意外とルールの理解度は高かった

U21ということで経験年数としては10ヶ月〜1年10ヶ月程度の浅めの選手が多い中で、ゲームアドバイザーとしてルールの説明をする機会が増えるかなと思っていましたが、思っていたより選手のルールの理解度が高く、選手同士で議論がしっかりできている印象がありました。

ただ、地域差はあるなと感じたところはあるので、アルティメットがあまり盛んではない地域でもルールの理解はしっかりと高めてほしいところではあります。

経験年数が浅くてもルールをしっかり理解していることで、相手との議論がスムーズにできていることはとても素晴らしいと思いました。

チェックの時(プレーの再開時)に周りに確認しよう

アルティメットには、ファールやピック、タイムアウトなどで一時的にプレーが止まり、チェックをしてプレーを再開することがあります。

そのチェックの際に、ストーリングの人が周りの状況を確認せずに勝手にチェックをしてプレーを再開させてしまう場面が多々ありました。

プレーが中断した時は1呼吸おいて、以下の流れでやってみましょう

  1. カウントの確認(スローワーと確認する)
  2. カウントの共有(周囲のプレイヤーにカウントを伝える。例:「ストーリング3からです」)
  3. 周囲に準備OKか確認
  4. 「ディスクイン」でプレー再開

大事なのは2、3のカウントの共有と周囲に準備OKか確認することだと思います。

これをせずに勝手にチェックしてしまうと周りのメンバーもあたふたしてしまうので、一つ一つ落ち着いて確認しながら処理しましょう。

周囲にきちんと確認してからチェックすることで、味方も助かります。

リトラクトという選択肢もあるから自信を持ってコールしよう

経験が浅いとどうしても、何か反則が起きた時に自信を持ってコールができないこともあると思います。

もちろんルールをしっかり読んで理解しておくことも大事なんですが、アルティメットには「リトラクト」というコールの取り消しができるルールがあります。

自分がコールしたことが正しくないと思ったら、なしにできるんですね。

なので、一回目は間違えても良いから自信を持ってコールをしてみましょう。

それから自分がどういう理由で何のルールに基づいてそのコールをしたのか説明してみて、もしそれが間違っていれば相手や味方が訂正してくれたり、正しいルールを教えてくれると思います。

なのでまずはコールをした後に自分の意見をはっきりと説明できるように準備しておきましょう。

相手の意見に対して否定をするのではない

コールが起きた際の議論の仕方として、あからさまに相手の意見を否定するスタンスを取ってしまう人も見受けられました。(「いやいやいや」と言ってこっちの意見の方が正しいですよ!みたいな感じです)

お互いにコールをしている場合は、OF側もDF側も自分が正しいと思って説明しています。

この時意識したいのは「I think…」という議論の仕方で、まずは「自分の意見は〇〇です」ということを相手に伝えましょう。
そこには「相手の意見は違います」という観点はないはずです。

お互いの意見を主張した際に

OF「自分の意見はAです」

DF「自分の意見はBです」

という別の意見になったら、まず相手の言ってることの方が正しいかもしれないという観点で相手の意見も聞いてみて、相手の方が正しいと思うのであれば先ほど言った「リトラクト」をして自分のコールを取り下げれば良いだけです。

上記のようにお互いの意見が食い違っていて、どちらもリトラクトしなかった時にコンテストが発生してワンバックになるという流れになります。

この一連の流れに、「相手の意見を否定する」という概念はなく、自分の意見が正しいか、相手の意見が正しいかということしかないはずです。

ゲーム中に熱くなってついついコール発生時に「いやいやいや」とか「絶対違う!」とか言ってしまうかもしれませんが、そこは一つ冷静に「私は〇〇だと思います」と自分がどう思うのか主張してみて、相手の意見を聞いてみましょう。

チェックの要不要の理解

U21に限った話ではないですが、チェックがいる時といらない時の区別がついていない人も多くいる気がします。

インプレー中なのか、プレーが中断した後なのか、など考えれば簡単ですが理解度は低い気がします。

代表的なところで言うと、ブリックスタートはチェック不要です。

あとは、セルフでチェックするのか、DFが触ってチェックするのかというところも理解度は低そうです。

DFがディスクに触れる場合はDFがチェックして再開するのが通常です。(10.6.1.1.)

ディスクを持っている人に対するファールでプレーが止まった際は、DFが接触してるので必ずディスクに触れられる距離にいるはずなので、セルフチェックにはならないですよね。

プレーが中断しているのか、インプレー中なのか、意外とここの理解を深めると相手の隙をついてオフェンスできたりディフェンスできるのでおすすめです。

チェックについての関連記事もあわせてご確認ください

・アルティメットのルール「チェック」について

学生の練習を見ていて感じた違和感。”チェック”について

まとめ

ゲームアドバイザーからの目線でU21のレポートを書いてみました。

個人的には経験が浅い割にはみんなよくルールを読んで理解しているなぁという印象でした。

議論の仕方もGAスタッフが口を揃えて「みんな対応が大人」と言っていたぐらい、上手にできているんだと思います。

これは日本全体でルールの理解度や議論の仕方が浸透していっていて、SOTGの高まりにも反映されていて世界基準でも高いところにあります。

同様に競技力もしっかりと高めてアルティメットの結果で世界一が取れる日を夢見ながら今後も発信を続けていこうと思います。

ではまた。