こんにちは、雷人です。
暑い日が続きますね・・・。在宅で仕事をしていると電気代が心配でなりません。
さて、今日は「アルティメットのタイムキャップへの入り方」というテーマで書いていきます。
今日の記事はとても大事かというとそうでもないですが、理解しているとしていないでは差が出る場面があると思うので、なんとなく読んでみて実践で使える場面があれば使ってみて下さい。
個人的には試合の勝敗を大きく分ける可能性があることだと思っています。
アルティメットのタイムキャップへの入り方
アルティメットには特有のルール「タイムキャップ」という制度があります。
6月に行われたWU24UCを観ていても思ったことですが、このタイムキャップにどのタイミングで突入するかが勝敗を分ける可能性があるなと感じました。
今日の話としては、条件は限られますが、「タイムアウト」を上手く使うことで、タイムキャップに入るタイミングをコントロールする、というものです。
タイムキャップとは?
タイムキャップをまだ理解していない人のためにも念の為タイムキャップのルールについて確認しておきましょう。
理解してる人は飛ばして下さい。
A4.2. タイムキャップ
A4.2.1. 試合時間が【100分】経過した時点で両チームとも決勝点に達していない場合、タイムキャップが発生する。
A4.2.2. タイムキャップが発生した時点でのプレイは、次の得点が入るまで継続される。その得点後に、両チームとも15点に達していない場合、両チームの点数を比較して、【高い方に1を加えた点数】を新しい決勝点とし、どちらかのチームが新しい決勝点に達するまで試合を継続する。
A4.2.3. タイムキャップが発生しても、各チームに残っているタイムアウト取得可能回数は変わらない。WFDFアルティメット公式ルール付帯資料より引用
A4.4. ハーフタイムキャップ
A4.4.1. 試合時間が【55分】経過した時点で両チームとも【8点】に達していない場合、ハーフタイムキャップが発生する。
A4.4.2. ハーフタイムキャップが発生した時点でのプレイは、次の得点が入るまで継続される。その得点後に、両チームとも8点に達していない場合、両チームの点数を比較して、【高い方に1を加えた点数】を新しいハーフタイム発生条件とし、どちらかのチームが新しいハーフタイム発生条件に達するまで試合を継続する。
A4.4.3. ハーフタイムキャップが発生しても、各チームに残っているタイムアウト取得可能回数は変わらない。
最終的な決勝点を決めるものと、ハーフタイムに入るためのタイムキャップが存在しますが、どちらも考え方としては同じです。
試合時間が所定の時間(全体:100分、ハーフ:55分)を経過した後に、次の得点が入ったタイミングで両チームとも所定の得点(全体:15点、ハーフ:8点)に達していない場合、両チームの点数の高い方に+1点した数字が決勝点またはハーフタイムに入る点数になるというものです。
例を上げると
- 100分経過時点でスコアは12-10
- その後のスコアで12-11になった場合、決勝点は12+1=13点。
- その後のスコアで13-10になった場合、決勝点は13+1=14点。
という感じです。
とりあえずタイムキャップのルールについてはこんなところです。
タイムアウトでタイムキャップに入る時間を調整する
今日の本題としては「タイムアウトでタイムキャップに入る時間を調整する」というものです。
タイムアウトの回数が2025年版のルールから1試合通して2回になったので、この件ができる頻度は減りましたが、条件が揃えば使えるチャンスはあると思います。
使える条件としては
- 決勝点15点には行かないが2点差以上で勝っている
- オフェンスキープにある程度自信がある
- タイムアウトが残っていて取得できるタイミングである
- タイムキャップまでの時間が残り75秒を切っている、もしくはタイムアウト取得後の残り時間が限りなく短くなる
- 得点後の残り時間が2分30秒以下に近い(75秒ルール+タイムアウト75秒)
といったところです。
上記の条件が揃っている時にタイムアウトを取れば、タイムキャップに入った状態で次の得点を迎える事ができます。
タイムアウトを取らずにタイムキャップに入る前にこちらが得点、または失点してしまうと、決勝点が決まるのが後ろにズレ込みます。
例:WU24UCウィメン部門準決勝JPN-CAN
ちょっと何を言ってるかわからないという人もいると思うので、WU24UCを観ていて実際に自分が「いまのタイミングでタイムアウト取ったほうが良さそう」と感じたところを共有します。
若干結果論にはなりますが、これがあと30秒とか1分後ろだった場合は十分使える場面です。
上記の場面は残り時間04:06、スコアは日本が10−8でリードしている場面です。
このあと、日本はオフェンスをキープします。

キープしたタイミングでの残り時間は02:40でスコアは11−8です。タイムアウトは1つ残っています。
このタイミングで先程挙げた条件がほぼ揃っていることになります。オフェンスの自信は不明ですが以下は確実にクリアしていました。
- 決勝点15点には行かないが2点差以上で勝っている
- タイムアウトが残っていて取得できるタイミングである
- 得点後の残り時間が2分30秒以下に近い(75秒ルール+タイムアウト75秒)
このまま75秒後にプルを投げた場合タイムキャップまでの残り時間は1:25になりますが、得点間でタイムアウトを取得すればプルまでの時間を75秒伸ばすことができます。
そうするとタイムキャップまでの残り時間を0:10まで減らすことができて10秒で得点されなければ次の得点が入った時点で決勝点が決まります。
キープした時点では11−8だったので、仮に取られても11−9になり点差は2点で決勝点は12点のオフェンススタートです。
実際の結果としてはタイムアウトは取らずに日本はゾーンDFを仕掛け、残り時間00:17のところで得点され、11−9になった後にタイムキャップに入ったので次の得点によって決勝点が決まる形になりました。
その後のオフェンスを時間がかかるもなんとかキープしたので、結果的には12−9の3点差で決勝点13点ディフェンススタートという場面でしたが、もし仮にここでブレイクされていれば、11−10の1点差で決勝点12点オフェンススタートで、なおかつ相手もイケイケの状態になります。
結局その後のスコアは、カナダキープで12−10、からの2被ブレイクで12−12の取ったもん勝ちになり、日本が最後キープして13−12で勝利しました。
結果論なのでタイムアウトを取ったパターンで11−9の決勝点12点だったとしても、2ブレイクされれば同じく取ったもん勝ちになりますし、何とも言えないところはありますが、こういう方法もあるなと理解頂ければ幸いです。
2〜3ターン減らせる
この「タイムアウトで時間を削る」ことで何が起きるかと言うと、プレーするターン数を2〜3ターン減らす事ができるんです。
タイムキャップに入る前ギリギリに得点シーンが来てしまうと、次の得点が入るまで決勝点は決まらないので、試合時間は短くても5分ほど長くなるし、ブレイクが重なればターン数は更に増えます。
特に今回のようなWU24UCのように酷暑での環境や、世界大会のような長期戦で疲労を抑えていきたい場合は有効な手になるのではないかと思っています。
タイムアウトを万事に残しておきたいということも意見としてわかりますが、ひとつの使い方として理解頂ければと思います。
実際に使った事例
2024年の全日本マスターズアルティメット選手権大会の予選リーグで、某チームと対戦した際に「時間を減らすためのタイムアウト」を使用しました。
当時の状況としては
- はっきりとした追い向かいの爆風
- 向かい風ディフェンスのブレイクチャンス。最奥(自軍エンド)からスタート
- 5〜6点差
- タイムキャップまで残り1分少々
という場面でした。
何度か向かい風をブレイクしているからその点差になっていましたが、タイムアウトを取らずに1分以内に得点されるよりも、タイムアウトを取ってタイムキャップに突入し、得点されても追い風オフェンスキープの方が試合が早く終わると判断してタイムアウトを取りました。
これも追い向かいがはっきりしている強風時というレアケースですが、その辺も意識しておくとよいかもしれません。
まとめ
ということで今日は「タイムキャップへの入り方」について、ルールの中でタイムアウトを使って時間を調整できるよという話でした。
なかなかオフェンスをしながら残り時間を調整するのは難しいですが、タイムアウトが残っている場合はこういった使い方もあるので、条件が揃った場合には試してみて下さい。
レアケースだと思いますが、機転が利くとチームメイトに褒められると思います笑。
タイムキャップへの入り方は個人的には結構大事だと思っているので、試合中タイムマネジメントをしっかりして、どうやってタイムキャップに突入するのが良いのか自分たちでも考えながらプレーしてみて下さい。
ちょっと今日は難しい話だけどこんなの考えてるよという頭の中の共有でした。
それではまた!