「アルティメット」スタックに対するディフェンスの中でのハンドラーのポーチディフェンス

ディフェンス
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

Follow Me!!

こんにちは、バズバレッツの雷人です。

個人的に第二次コロナショックが来ていて一週間ぶりになってしまいました。
記事更新していなくても読んでくれる方に感謝感謝です。

この一週間色々な事が起こりました。
オリンピック延期決定と同時に東京都の感染者数が増えると言う不思議な事が起きたり、アルティメットの世界大会が中止・延期になったり、一番有名な殿が亡くなったり、政府の驚きの対策「マスク2枚」が発表されたり、普通の感覚では受け入れがたい情報が多く入って来ました。

新型コロナウイルスの猛威は凄まじいものですが、いまは耐えるしかないですし一人ひとりがまずできることをやるしかないですね。

アルティメットができない日々が続いていますが、このブログが少しでのその暇つぶしとアルティメットを考えるきっかけになればと思います。

ともあれ1日も早い終息を願いましょう。

さて、今日は「スタックのDFの中でハンドラーのポーチディフェンス」について考えていきます。

以前質問いただいておりました。

マンツーマン(スタック)のDFで、ハンドラーのポーチDFの狙い目や、ポーチに出た時の気をつけることなど、教えて欲しいです。

ずいぶん前の質問で回答が遅くなり申し訳ございません💦

ポーチDFは感覚的なところが大きく、人によって考え方が違うのであくまでも私自身の考え方として捉えてください。

この記事が「ポーチDFの狙い目やタイミングがわからない」「ポーチDFってなに?」「ハンドラーのマンツーDFが苦手」といった悩みの手助けになればと思います。

スポンサーリンク

ポーチDFとは?

ポーチDFとは、マンツーマンディフェンスをしている時に自身のマーカーを外してパスカットを狙いに行ったりパスを出させないようにすることです。

メリットとしては、オフェンスの想定外のところからディフェンスを狙うので、パスカットが出来たり、スローワーにパスを躊躇させる事ができます

反対に自身のマーカーを外しているのでスローワーに気づかれて元のマーカーにパスを通されると守りに行けないというデメリットがあります。

ハイリスクハイリターンの少しギャンブル性の高いディフェンスと言えるかもしれません。

とは言えリターンを得るためにはどこかでリスクを追う必要があるので、そこは個人としてどう捉えて行動するかは人によります。

個人的にはもともとサッカーやバスケをしていた人が得意な印象があります。野球出身は・・・です笑。

ちなみにバズバレッツでのポーチDFを得意とするのは、高橋やすお選手#3で、あまりにもポーチカットが得意なので「盗っ人」と言うあだ名がついています笑。(動画を参照する際は注目して見てみてください)

ポーチDFと一言で言っても大きく2パターンあります。それは先述したように

  • パスカットを狙うパターン(ポーチカット)
  • リズムを崩させるパターン

この二つになります。

パスカットを狙うパターン(ポーチカット)

ポーチカットを狙うパターンの場合、カットできる時もあればカット出来ない時もあります。

失敗した時の代償はかなり大きく、ポーチカットを狙うのはハイリスクハイリターンと言えます。

とは言え相手のオフェンスが堅くなかなかターンオーバーが起きない時などにやってみると何か起きるかもしれません。

上手く行けばターンオーバーが狙えますが、自身のマーカーを外すことになるのでかなりギャンブル性の高いディフェンスと言えます。

リズムを崩させるパターン

ポーチDFと言うと「ポーチカット」を想像して、パスカットしていることを思い浮かべる事が多いですが、それだけではありません。

パスカットまで至らなくても、スローワーがパスを躊躇したりハンドラーの展開のリズムが崩れたりすれば、十分効果があると言えます。

バズバレッツではこの状況を「顔を出す」と言ったり「気を利かす」と表現したりしますが、スローワーが投げそうなところに「顔を出し」に行きます。

特にパスカットを習うわけではなく顔を出すだけなのですが、「パス出したらカット狙えるよ〜見てるよ〜」と言うメッセージをスローワーに植え付ける事ができます。

誰しも経験があると思いますが、ディスクを持ってスローを投げようとした時に他のDFと目が合って投げられない、他のDFが気になって投げられないなんて事は多々あると思います。

スローワーに「ポーチカットされるかもしれない」という意識を植え付けられるのがこの「顔出し」の良いところです。

ポーチDFをするのに大事な力

ポーチDFをするのに大事な力は二つあります。

それは

  • ディスクの流れを読む力
  • 周囲の状況を把握する力

この二つです。

どちらの力も自身のマーカーだけを見るようなDFでは身につかないので、よくわからないって人はまずは「マーカーと距離が離れていても守れる理由・スローワーを見ている」を読んでみてください。

ディスクの流れを読む力

一つめは「ディスクの流れを読む力」です。

ある程度アルティメットの経験年数がついて来ると相手のパスを狙うコースがだんだんと読めるようになってきます。

パスが流れてディスクが流れていると「あ〜次あそこ来るな〜」といった流れを予測する力です。

感覚的なところがすごく強いのですが、サッカーとかバスケを元々やってた人はこの感覚が元から強い人が多い印象があります。

ディスクの流れがわかるようになると、「自身のマーカーに直接パスが出ないタイミングで、パスカットを狙ったり、パスコースに入ったり」する事ができるようになってきます。

周囲の状況を把握する力

もう一つは「周囲の状況を把握する力」です。

これは自分自身がフィールドのどのへんにいるのか(前の方なのか、端の方なのか、奥にミドル入るか等々)を把握する力です。

アルティメットは上から見た映像だとすごくわかりやすいですが、その映像をオンフィールドの状態で考えられる人はポーチDFが上手です。(空間認識能力?)

周囲の状況が把握できれば自身のマーカーを外して良いタイミングがわかるようになってきます。

スタックDFにおけるハンドラーのポーチDF狙い目

質問では「スタックのハンドラーのディフェンス」と具体的な記載があったのでそのポジションではどのようなシチュエーションでポーチDFが有効なのかを考えてみました。

スタックのディフェンスをしながらハンドラーで狙えるポーチDFとしては

  • ハンドラー同士の小ボンバーのパスや「A(インサイドの上がり)」のパスを狙う
  • ハンドラーの位置からのミドルへのミートのパスを狙う

この辺になってきます。

今回はスタックのポーチDFですが、ホライゾンの場合でも狙い目は同じようなところになります。

ハンドラー同士の小ボンバーのパスや「A(インサイドの上がり)」のパスを狙う

これは以前記事を書いた「ガオー」や「どやさ」とも似ている部分がありますが、ハンドラー同士の長いパスを狙う方法です。(関連記事「ガオー」と「どやさ」のやり方

  • ディスクがコート端に行った時にスローワーとハンドラー同士の位置関係を確認する
  • 長いパスを投げそうな雰囲気を感じる
  • パスを投げた瞬間にマーカーを捨ててパスカットを狙う

ちなみにこの状況で先にパスコースに動けば「ガオー」or「どやさ」になります

どうやって相手に長くてリスクのあるパスを投げさせるかが重要です。

ハメ側でもハメ逆でも狙う事ができるが、どちらかと言うとハメ側の方がスローワーの視野がストーリングで見えずらくなっているので狙いやすいです。

ハンドラーの位置からのミドルへのミートのパスを狙う

もう一つはハンドラーの位置からのミドルへのミートのパスを狙う方法です。

特にディスクがコート端にある際は狙いやすいです。

  • ディスクがコート端に流れた時に、ミドルの方をチラッと確認する
  • ミートで抜けてきていたら投げる可能性が高いのでマーカーを外してパスコースに走る

感覚的にはディスクが流れてすぐのタイミングの方が狙いやすい。

「顔を出す」場合は自分のマーカーへ戻れるポジションで止まって、スローワーと駆け引きする

これもハメ逆、ハメ側どちらの場合でもできますが、ハメ側のインサイドのパスなどはスローワーから見にくい位置なので狙いやすいポイントです。ただし、スタックの場合ハメ側のインサイドはスペースがなく攻めにくい場所ではある。

また、スローワーに背を向けた状態から、ポーチDFするパターンもあります。

  • 展開された後にマーカーがスタックに戻る
  • この時スローワーに背を向けることになるが、ミドルの状況はよく見える
  • 青⑥のようにミドルが明らかにポーチの場合、スローワーが投げてくる場合があるので①を追いかけないで振り向くとパスが飛んでくる事がある

特にオープンに抜けてくる場合はスローワーが投げやすい状況なので狙い目になります。

上図のように人がすれ違うような動きをする時は、ポーチしやすい状況になります。

状況によってはマーカーを入れ替える「スイッチ」をする事もできます。(関連記事「ディフェンスのスキル”スイッチ”について」)

ポーチに出た時の気をつけること

ポーチに出た時に気をつけることは、「リカバリーを早くすること」です。

ポーチに出てもしも相手に気づかれてパスを繋がれた場合は痛い目に合うことが多いのでリカバリーを急ぎます。

味方と連携してスイッチしてもらうのか、自分で頑張ってマーカーにつき直すのか、状況によって臨機応変に対応する必要があります。

また「身体接触しないようにすること」もかなり重要です。

ポーチカットは相手のオフェンスにとっては思いもよらぬところからDFが現れることになります。
また、ポーチDFとオフェンス(レシーバー)進行方向が向かい合う事もあり、身体接触の起こりやすいという危険性があります。

ポーチに行っても無理だと思ったり、体がぶつかりそうな身体接触の危険を感じたら、身を引くように気をつけなければなりません。

参考動画

後日YouTube「Rising Ultimate Channel」にて公開予定です。

チャンネル登録してお待ちください。

まとめ

ポーチDFは時に有効なディフェンスになるのですが、あまりにそれを狙いすぎるとマンツーマンディフェンスが疎かになりがちです。

アルティメットの基本はあくまでもマンツーマンだと言うことを踏まえた上で、ポーチDFをするようにしましょう。(関連記事「マンツーマンディフェンス・ハンドラー編」)

まずは基本のマンツーマンで自分自身のポジションを探して、フェイスアップしてディフェンスができるようになってくるとポーチにいけるタイミングもわかってくるようになります。

距離感やタイミングなどは人によって違いがあるので、まずは「狙ってやってみること」が大事です。

行動してみれば次の反省が生まれて次どうするかを考えるようになります。

何事も一緒ですね。

というわけで今日はこの辺で👋