アルティメットで大学生チームはどんな練習を取り入れれば良いのか?

基礎練習
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんばんは。バズバレッツの能勢です。この土日は長野県の菅平高原で全日本選手権の本戦がありました。無事今年も決勝進出が決まりました。

是非7月6日土曜日に富士通川崎スタジアムで決勝戦がありますので是非見にきてください。今年は夕方からとの噂なので練習後でもいけますね。

本日の記事は質問箱の

「大学生にやって欲しい練習はありますか?」

という質問に対しての回答記事になります。私なりに考える「やって欲しい練習」を書いていきます。

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試合を想定して基礎練習を作る

まず大前提の話です。「試合を想定した基礎練習をする」これが出来ていない学生チームがすごく多いと思います。

練習にリアリティーがないというか、”試合っぽくない”というか・・・。ただ決められた動きをその通りに繰り返しているだけというか。。。

その練習自体はすごく上手なんですが、試合のどこで使うん?みたいな練習だったり、味方の事見えているのか?といった感じです。

なんの為に練習をしているのか。もちろん試合で勝つ為です。試合で自分たちがやりたいことをやる為です。

なのになぜか、「練習は練習、試合は試合」になってしまっているチームが多いです。

練習を試合がリンクしていないのです。

過去やっていたスポーツで言われなかったですか?「練習のための練習をやってんじゃねーよ」とか「試合のように練習し、練習のように試合をする」と。

それでは練習を試合に近づけるためにはどうすれば良いのか。具体的に考えてみましょう。

DFをつけて基礎練習を行う。

これは試合により近い状況にする為の一番簡単な方法です。

当たり前の話ですが試合の時には相手(DF)がいます。なので普段の基礎練習にもDFをつけましょうという単純な話です。

ただこのDFをつけるにも重要なことがあります。それは

””大げさにやられるDFする””です。

あくまでもOFの練習なのでそれが成立しないほどDFしてしまうとしらけます笑。そういう練習の方が良い時もありますが。

ナイスディーはしなくていいので「やられ上手なDF」を””意図的に””やってください。

OFはDFの動きを見て攻めます。

そうする事でOFは相手の付かれ方をみて判断する力が身につきます。

DFを想定して練習する

と言っても人数的にDFつけるのは大変です。とか、なんかうまくいかないって時はDFを自分の頭の中で作り出してください。

トラップはどっちとか、背の高い相手とか、ミートをガンガン食いにきている相手とか、なんでも良いです。イメージなのでどんな相手でも作り出せます。

これは対面のスロー練習の時でも、「ストーリング」を想定して投げればOKです。

ミートの練習であれば後ろに背負っているDFを想像して前で取ります。

相手ありきのスポーツなので相手がいる状況で自分たちのプレーが出来るようにしておきましょう。

バズバレッツが想定している相手は基本的には””アメリカ人””ですね笑。

目があってからスタートする

基礎練習で決められた練習をする時、投げたらすぐ走り出す。こんなチームがすごく多いです。

これはすぐに見直した方がいいです。

スローワーと目があってからレシーバーが走り出すように工夫してください。

レシーバーがひとりよがりにスタートさせてしまってスローワーが準備できていないなんてことはないでしょうか。

スローワーの選択肢を与えるためです。

目があっていない味方にパスを通すのは至難の技です。

でも練習で知らず知らずのうちにそういう練習をしてしまっているのです。

そこにはスローワーの状況も関係なく、想定されたDFもいません。

リアリティー0です。

いろんな状況を想定する

この練習は「こうやって、次の動きはこうだよ。そういう風に代々やってきた。」

これも良くないです。決まった形での練習はイマイチです。

想定してください。相手を。DFを。

相手がこうしてきたらこう。対応するんです。

試合では相手がいます。

例えば45度の場合、多くのチームはミートに行く方向と逆に走ってカットバックしてだいたい45度ぐらいの角度でミートに行く。これをやってると思います。

バズの場合は、その中にも90度でカットする「B」、駆け上がりの「A」なんかを織り交ぜてやっています。それぞれがDFを想定して。

そしてもちろんスローワーが得意なスローが投げられるようにコースを変えて走ります。

かなり前ですが試合前のアップで45度が終わった後に「さっきの練習って何ですか?」と大学の後輩に聞かれ「45度。」と答えて驚かれた事があります笑。(参考記事はこちら→基礎練習45度の応用練習方法

より想像力豊かに”こんな状況もあるな”と考えながら練習してください。

正解なんてありません。全部正解です。想像できることは全て起こりうることです。

試合から基礎練習へ落とし込む

試合をした時に「気持ち良いプレー」とか、相手に「通用したプレー」ってありますよね?一試合やれば少なくても一つはあるはずです。

その「よかったプレー」を部分的に切り取って基礎練習を作り込みます。

例えば”駆け上がりからのシュート”が決まったとするなら、どうやって”駆け上がり”を成立させるのか考え、色々なバリエーションの駆け上がりの練習をやってみるといったような感じです。

ちなみにバズの基礎練習は”アメリカ相手にも通用するプレー”というのが基本的な考え方にあります。

今や全国的にも広がっている「ヤマト」も2012年ごろ考案され2013年のアメリカ遠征(WCC)から使っています。(ヤマトの説明は→アルティメット 用語辞典

チームの理想の攻めの形を決める

自分たちのチームがどんなオフェンスがしたいのか?理想の点の取り方はどんなものか?これをしっかりとチーム内で話し合って欲しいです。

行き当たりばったりの攻めでは面白くないです。

自分たちで「最強の点の取り方」を考えるのです。

今までの攻め方を軸にするのも良いですし、自分たちのオリジナルを作るのも良いです。アルティメットは点を多く取った方が勝ちの競技ですよね。

今いるメンバー(戦力)の中で、誰がシュートを打つのか?誰がレシーブするのか?陣形はどうするのか?チーム毎に違うはずなのでそれを考えてください。

自分たちで考えて「意図的に攻め」点を取れた時はすごく盛り上がるはずです。

強豪チーム(社会人チーム)に学ぶ

間違いなく大学生よりも社会人の方が考えてアルティメットをやっています。

経験といえばそれまでなのですが、大学4年間では考えつかないことも考えていたりするので社会人の人に聞いてしまうのが良いと思います。

近くに強豪チームが活動している、ナイトアルティメットに日本代表経験者が来ている。ってチャンスがあるなら聞いちゃいましょう。

社会人のアップを観察する

大会や普段の練習の時に、どのような練習をしているのか見てみるのも勉強になるはずです。

見てもよくわからなければ聞いてみると良いと思います。

どこの社会人チームでも優しく教えてくれるはずです。

バズバレッツも例外なく「こわいこわい」と言われがちですが、みんな優しくて良い人です。いつでも遠慮なく聞いてください。

映像を見て考える

これは自分自身もやっていたのですが、映像を見てマネします。私は2007年のECCというアメリカの大会のバズの映像を学生時代暇さえあれば見ていました。

今ではYou Tube等で色々な試合が見れる時代です。

そんな中でかっこいいと思うプレーややれそうなプレーを真似してやってみるというのも一つの手かもしれません。

クラブジュニア主催のクリニックに参加する

私も何度か講師として参加したことがあるのですが、クラブジュニアさんが東北クリニックやマンスリークリニックといったようなアルティメット講習会を開いてくれています。

数年前は関西クリニック、東日本クリニックもあったのですが現在は残念ながら東北クリニックのみです。

最近東北勢のレベルが上がって来ているのもそのおかげかもしれません。

個人的には関西クリニックをまたやって欲しいので吉田社長に交渉しておきます笑。

クラブジュニア過去クリニック情報http://www.clubjr.com/clinic.html

クラブジュニア マンスリークリニックhttp://blog.clubjr.jp/?eid=5410 http://blog.clubjr.jp/?eid=5426

マンスリークリニックは高校生以上で参加費1000円払えば参加することができ、元バズで日本代表監督経験のある齊藤さんやクラブジュニアスタッフで日本代表経験豊富な本名選手に学ぶことができます。

学べる環境があるなら使うべきです。まだ参加者が少ないようなので質問したい放題ですね。

ぜひ参加してみてください。

まとめ

色々書きましたが、今回一番伝えたいことは

意図的にプレーをして点をとる」為にどのような練習が良いのか考え、実行する。

ことです。

ぶっちゃけ練習の形なんかどうでも良いです。よくはないけどそれよりも大事なのは「リアリティー」だということです。

よく考えられている練習は「リアル」に見えますし、いないDFも見えてきたりします。また、そういうプレーあるな〜と想像できます。

これが本日の伝えたいことです。

行き当たりばったりで来た人に投げて繋いで点を取ることなら初心者でもできます。

チーム全員に理想の点の取り方を聞いた時、同じ回答が返ってくる。そんなチームは強くなるはずです。

アルティメットはコミュニケーションスポーツなので、たくさんコミュニケーションをとってください。

もしも創部して間もないチームの場合は「創部間もないチームや初心者が多いチーム向けの練習」を参考にしてみてください。

また、部員の人数が少ない場合は、「人数が少ない中での練習方法」や「人数が少ない中での練習方法〜その2〜」を参考にしてみてください。

それでは、この後MUL4に参加してきます。

というわけで本日の記事は

基礎練習をリアルに

でした。

まだまだ質問お待ちしておりますので疑問点等あればご質問ください。

質問箱→https://twitter.com/raito_ultimate/status/1140540456901603330