アルティメットの基礎練習”45度”の練習方法や意識すること

基礎練習
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんばんは、バズバレッツの雷人です。

急に寒くなって寒冷蕁麻疹をいつでも発動しそうです。コロナもしかりですが、インフルエンザや風邪も流行り始めていると思うので体調には十分気をつけましょう。

さて、今日は「アルティメットの基礎練習”45度”の練習方法や意識すること」について書いていきます。

過去記事で「45度の応用編」を書いており、基礎編についてはチームメイトの勝田選手の記事を引用していましたが、サイトを閉じてしまったので改めて私の方で基礎編を書くことにしました。

45度は多くのチームが基礎練習に取り入れているベーシックな練習です。もちろんバズとしても基礎練習として行うことが多々あります。

今日の記事を読むことで、「45度を行う際にどんなことを意識して行うと良いのか」「45度にリアリティを持たせるにはどうするべきか」がわかるかと思いますので是非最後まで読んでいってください。

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アルティメットの基礎練習”45度”の練習方法や意識すること

ユースチームからトップチームまで多くのチームが基礎練習で行なっている45度ですが、多くのチームが45度がなんの練習なのかということを理解できていません。

練習の意図を理解せずにただ、”走って投げてキャッチする”というチームは見ればすぐにわかります。

多くのチームとトップレベルで行われている45度には大きな大きな「意識の差」があります。

トップチームでは45度の意味を理解し、重要性を理解しているため長きにわたって未だに基礎練習で採用されていることになります。

今日の記事が絶対正しいということはありませんが、間違った認識でやっているチームは多くあります。

私の知る限りの45度の練習方法や意識するべきことを書いていきますので参考にしてみてください。

45度の練習方法

まずは45度の練習方法ですが、これは多くのチームがやったことあると思うので多くは説明しません。

スローワーに対して、奥(シュートの方)に走ってからカットバックしてスローワーに向かって走り、ミートしてキャッチする、の繰り返しの練習です。

この時のカットバックの角度がおよそ45度なので練習の名前も「45度」になっています。

スローワーはミートに来ているレシーバーに対してズレないように投げるスキルが、レシーバーは向かってくるディスクをキャッチするスキルが身につきます。

残念ながら、多くのチームの45度がただこの動作を無意識に決められたかのような(まるで製品工場のラインのような)動きで行っていることが多いです。

自分の番が来たら何も考えず、スローワーも見ず、ただ走って、ただキャッチして投げる。そんな風に見えるチームは少なくありません。

45度で意識すること(スローワー)

基礎練習「45度」を行う際に意識することはいくつかあります。

まずはスローワーが意識することは以下の通りです。

  • スローの高さと速さを意識する
  • シュートのタイミングでフェイクする(しなくても良い)
  • カットバックに合わせてパスを出す
  • ストーリングを想定して投げる

まだまだあると思いますが、ひとまず少なくともこのぐらいは当たり前に意識しておきましょう。

それぞれ説明します。

スローの高さと速さを意識する

45度は基本的にミートに対するスローになります。

最初はレシーバーの顔から胸の高さを狙って、自身がコントロールを失わない程度のマックスの速さのパスを投げます。

ディスクスピードが速い方が良い理由は後日また改めて説明しますが、レシーバーが困らない程度でコントロールできる範囲で速いパスを出します。

顔から胸の高さであればレシーバーは手ミートすることができるので、仮にDFがいても前でキャッチすることができます。

色んなスローを試してみる

胸の高さに速いディスクを投げましょうと言いましたが、あくまでも基本はそれでその中でもスローの質を変えて色んなスローを試します。

試合ではスローワーもレシーバーも毎回状況が変化します。

その状況に瞬時に判断しスローを投げる必要があるので、あえてスペースに浮かしたスローを投げたり、カーブやスクーバスローを投げたりして色んなスローを練習しておきましょう。

試合では練習でやったことしかできないので、思い切り試せる場所で試しておく必要があります。

シュートのタイミングでフェイクする(しなくても良い)

次に「シュートのタイミングでフェイクをする」です。

ちなみにこれはしなくても良いです。した方がシチュエーションが浮かびやすいので、経験が浅い場合はやったほうが良いかもしれません。

フェイクをするとレシーバーが「この距離感なら打てるんだな」というシュートレシーブの練習にもなりますし、フェイクするのを見てカットバックすることが出来るので一つの合図になります。

状況は色々あるので自身でフェイクをしてからパスを投げる方法と、フェイクをしないで投げる方法と色々試してやってみると良いです。

カットバックに合わせてパスを出す

次に「カットバックに合わせてパスを出す」です。

レシーバーがカットして振り向いた瞬間やカットした瞬間に投げ出すぐらいの勢いで投げます。

人それぞれ投げられる距離は違うので一概には言えませんし、自信が無い人は自分の投げられる距離で投げましょう。

カットバックに合わせてパスを出す理由は二つあります。

一つ目は「カットを踏んだ瞬間が一番DFが離れているから」です。

もう一つは「ゲインのある長いスローが投げられるから」です。

どちらもメリットしかありませんので、スローに自信がある人はレシーバーがカットした瞬間に合わせてリリースすることを意識してやってみてください。

ストーリングを想定して投げる

最後に「ストーリングを想定して投げる」です。

当たり前の話ですが、試合になるとディフェンスがいます。

ミートに対してスローを投げる際は大抵の場合ストーリングがいます。

そのストーリングを想定して「バックアップ」なのか「サイドアップ」なのか自分で考えながら投げましょう。

「ただ投げる」は絶対にダメです。

頭で考えて想定してストーリングを作り出すことは誰でもできるので絶対に意識しましょう。

決まった方でしか投げないはNG

たまに見かけるのですが、チームのみんなが決められているかのように投げるスローが同じということがあります。

例えば、待っている人たちから見て右に向かって走ってミートした時はバックでフェイクしてサイドで投げて、左から走ってミートした時はサイドでフェイクしてバックで投げる。みたいな感じです(伝わるかな・・。)

とにかくみんなフェイクと投げているスローがおんなじということです。

サイドでフェイクしてもサイドで投げる時あります。

とにかくなんかみんなおんなじ事やってるなぁと思う場合は注意してください。

45度で意識すること(レシーバー)

ここからはレシーバーが意識する事です。

45度でレシーバーが意識することは

  • 前の人のスローの質やスローワーの状態を見た上で走り出す
  • シュートをもらう気で走る
  • 色々な状況を想定して走る
  • スローワーの得意なスローを引き出すように走る

です。

それぞれ解説していきます。

前の人のスローの質やスローワーの状態を見た上で走り出す

多くのチームでありがちなのは、「前の人(自分にとってのスローワー)の状況など関係なしに走り出す」です。

カットバックしたらディスクが落ちてた。なんて経験はありませんか?

これはスローワーの都合を全く無視したレシーバーの自分勝手な走り方なので思い当たる人は必ず改善してください。

解消する方法は簡単で「前の人がキャッチして目があったのを確認してから走り出す」です。

考えているチームの45度では、スローワーがどんな状況でパスを受けられるかを確認し、その位置から走り出す場所を変えてまるでシュートを貰うかのように走り出します。

想定する状況によっては速めにレシーブするということもあるにはあるのですが、まず基本は奥にシュートを貰える距離やタイミングで走り出すことを意識しましょう。

シュートを貰う気で走る

次に「シュートを貰う気で走る」です。

ここもないがしろにしているチームが多いのですが、45度の大事な所は「カットバックする前の加速」です。

自信がディフェンスをしていることを想像すればわかると思いますが、「スローワーからシュートがありそうな良い距離感で奥に走られた」ら、”ヤベッ”ってなってしまいますよね。

45度はそのディフェンスがやばいと思う状況を作り出す練習でもあります。

ここをタラタラ走っていると、ディフェンスはミートに思い切りついていけます。

ミートをする際に「止まるな」と言われるし、それも大事なことには変わりないのですが、まずはシュートレシーブする気で走ることが大事です。

スローワーが「シュート打てなかった」からの「カットバックでミート」が45度の基本的な考えです。

色々な状況を想定して走る

とは言っても相手のディフェンスによって状況は変わります。なので、これもみんなが同じ決まったレシーブ方法をやるという日本的な練習を生みかねません。

もちろんまずは基本的な考え方を理解してやってみてからの話になりますが、レシーバーもいろんな状況を想定して走る必要があります。

例えば「サイドスタックで大きなスペースで1対1を仕掛けた」とか「トゥライで逆サイドから走って来てミートした」とか色々あります。(参考記事「サイドスタックのオフェンス」「ミドルの動きがわからない時はトゥライをしてみよう

とにかくディフェンスにどうつかれていてどうやって貰うか考えながらレシーブします。

スローワーの得意なスローを引き出すように走る

最後は「スローワーの得意なスローを引き出すように走る」です。

スローの得意不得意は人によって違います。なのでスローワーによって投げられる距離も違えば、得意なコースも変わってきます。

スローワーが投げたいスローを投げられるように、工夫して走るように意識しましょう。

もし2人の間でズレが生じたら必ず「コミュニケーション」をとって解消します。

チームメイトのお互いの良いところを引き出し合えるのはチームメイトだけです。

ピックアップではできないプレーができるのは自分たちのチームだからこそです。

スローワーがどんなスローを投げられるのか、投げたがっているのかを意識してレシーブすることが大事です。

同じ練習をしていても”意識”で内容が変わる

45度はユースチームからトップチームまで多くのチームがやっています。

ですが、ここまで意識を持ってやっているチームは上位の数チームかと思います。

同じ練習でも意識レベルが違えばチーム力に差が生まれます。

大学生はそれがわかりやすく現れていると思います。トップチームと交流が多いチームは「基礎練習で何を意識してやるべきか」を知ってたりします。

大事なのは練習が「意味を持っている」ことです。

その練習が試合のどの部分で使うものなのかを考えて練習するようにしましょう。

まとめ

今日は45度の練習方法と意識することを紹介しました。

みんながやっている45度でも、トップチームではこれだけのことを意識して練習しています。(まだまだあるけど長くなるので大事なところの抜粋です。)

いくつ当てはまっていたでしょうか。

あまりこれまで意識できていなかったというチームの方は、まず一つやってみましょう。それが浸透して来たらもう一つという感じで少しずつやってみてください。

基礎ができたら応用にもチャレンジしてみましょう。

というわけで、全国の「45度」が試合っぽい”リアリティー”あるものになることを願っています。

それではまた。