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”ジェットボーイ”荒川太陽選手の強み

BuzzBullets
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、読書の秋で月間読了数が15冊になりそうな勢いのバズバレッツの雷人です。

年間100冊まであと24冊になり、何もなければ達成できそうです。

さて今日は、「”ジェットボーイ”荒川太陽選手の強み」というテーマで書いていきます。

質問頂きました。

荒川太陽選手の強み等を教えてほしいです!

という太陽ファンの方と思わしき人から荒川選手の強みを教えてくださいとの要望がありました。

先週の練習で本人にも許可を取らせていただいて、私が思う範囲での彼の強みを紹介していきます。

彼がいかにして、2016年の世界大会でオフェンスセットとして活躍し、世界にその名を轟かせたのか。

どうすればチームの中で活躍できるようになるのか、自身に置き換えて考えることもできる箇所もあるかと思います。

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”ジェットボーイ”荒川太陽選手の強み

「ジェットボーイ」「ゴールマシーン」「ブラック太陽(笑)」様々な異名を持つ、荒川”ジェット”太陽選手の強さをチームメイトである私から過去を振り返りながら考えてみたいと思います。

まずは簡単に荒川選手の紹介からさせていただきます。

愛知県に生まれ育ち、高校まで野球に打ち込み、中京大学でアルティメットと出会います。
大学2年生の頃から当時強豪であった中京大学の中でオフェンスセットに入り活躍し、2012年には大学4年生ながらA代表に選出。
2013年にバズバレッツへ入団し、同年にはU23の日本代表として選出されます。
2016年にA代表のオフェンスセットへ抜擢されるとその才能を開花させ、世界大会でゴールマシーンとして大活躍し、2019年Ultiworldが選ぶ「全世界(北米以外)のベスト10プレイヤー」に選ばれました。

そんな荒川選手の強みとはなんなのか。

身長も高くない荒川選手がいかにして日本代表、バズバレッツのオフェンスセットを勝ち取ったのか。

私の知るところについて紹介していきます。

足の速さ、瞬発力が半端ない

まずはこれなしには彼は語れない部分ですが「足の速さ、瞬発力が半端ない」です。

一瞬でトップスピードに乗るその速さは、日本国内でもトップクラスのスピードだと思います。

私はバズの中では鈍足の部類なので、絶対にマッチアップしたくない選手の一人です。

海外でも「ジェットボーイ」という異名から、ジェットが出ているぐらい足が速いという認識を受けていることがわかり、国内外が認めるところです。

WUGC2016では、赤い帽子でコートを駆け回る姿からUltiworldからは「まるでスターを取ったスーパーマリオのようだ」と称賛されていました。

この足の速さはやはり荒川選手の1番の武器と言えます。

スローワーを活かすシュートレシーブ力

2016年日本代表のオフェンスセットに入れた要因として「スローワーを活かすシュートレシーブ力」があります。

本人からも聞いたことありますが、誰がどうやってどんなタイミングでシュートを打とうとしているのかめちゃくちゃビデオ見て研究したそうです。

当時のオフェンスセットでは、ハンドラーからもミドルからもシュートがあるような布陣だったので、彼らシューターからシュートをもらう「レシーバー」に徹することでそのポジションを獲得していきました。

荒川選手はバッカーズですが、スローはそこまで上手ではありません。ですが、その足の速さを存分に活かしてシュートを打ってもらうことで活躍の場を作っていました。

そして「ゴールマシーン」は生まれたのです。

ゴールマシーン荒川選手

表向きは先輩を”よいしょ”する舎弟タイプの太鼓持ち太陽

太陽を知る人で彼より年上の人はみんな感じているところだと思いますが、彼は先輩を気分をよくさせる太鼓持ちの天才です。

サバンナ高橋のようなあからさまな太鼓持ちではないですが、体育会系の縦社会で育ったからなのか、先輩に対する敬意や態度は素晴らしいものがあります。(ただし表向きは笑)

「確かに〜」が先輩と話すときの口癖なのですが、時折その太鼓持ちがいきすぎて先輩から「こいつほんまはそんなこと思ってへんな」と察しがあることもしばしばあります。

ただそこの雑さを含めても、彼の持ち前の明るさや太鼓持ちに私を含めていつも気持ちよくさせていただいています。

裏では先輩をどう利用するか考えているブラック太陽?

そんな先輩を敬う気持ちの非常に強い平成初期代表みたいな男、荒川選手ですが時折見せるブラックな面もあります。

レシーブ力がついたのも、いかに自分が活きるために先輩を気持ちよくさせて行くかを追求した結果になります。

思えば大学2年生の頃からオフェンスセットでレシーブをしていたので、生粋のレシーバーでした。

自分よりもスローが上手な先輩がどうやったら気持ちよくシュートが打てるのか?つまりどうやって先輩を利用して自分が活躍するかを常に考えてきたと言えます。

太陽には黒点があります。荒川選手にももしかしたら黒点があるかもしれない。それをバズのチームメイトは見抜いて「ブラック太陽」と愛を込めてイジっているのです笑。

なかなか芽の出ない3年間

2016年に世界的にもスター選手となったそんな荒川選手でしたが、社会人になりバズに入ってからというものその才能は影を潜め3年間は年間は芽が出ていませんでした。

彼のレシーブ力(先輩よいしょ力)が十分に発揮されるオフェンスセットはミドルのポジションはえげつない選手が多く空きが回ってきませんでした。

ディフェンスセットでのスタートとなるのですが、荒川選手はディフェンスがとても得意という選手ではないので、そこでもなかなか活躍の場を持たせてもらえずでした。

ただあるミドルの選手が引退したことでポジションが1つ空きが出ました。

この時を待っていた「荒川・ジェット・ブラック・太陽」はここぞと言わんばかりに犬のように先輩になつき、先に述べた能力を十分に発揮し彼本来の活躍の場所であるオフェンスセットを勝ち取ったのです。

同期との絆で生まれた作戦「D・T」

バズのオフェンス先述の中に「D・T」という作戦があります。(太陽の同期であるDAIKIとTAIYOの頭文字を取ってD・T)

パスを受けたミドルがハンドラーにダンプで返して、そのまま奥に走るという作戦です。

これは荒川選手の足の速さを活かして、相手ディフェンスとヨーイドンさせることでぶち抜きそこに対してシューター(大輝)がシュートを打つという作戦でした。

これは彼らD・Tがまだ若手の時に一緒に出ることが多かった中でお互いが活きるために生まれた作戦ですが、今もバズのオフェンス戦術の1つとして残っています。

1990年生まれの同期 DaikiとTaiyo

高いキャプテンシー

彼を語る上で外せないもう1つの強さに非常に高いキャプテンシーがあります。

先輩をよいしょして気持ちよくさせる能力がありながら、後輩へは先輩としての優しい対応をしています。

そんな風に周りの人のことを一番に考えている彼には自然と多くの人がついていきます。

現在バズのキャプテンを務めている荒川選手ですが、彼の発言には力があり、力強さがあり、時折SOSも隠さず見せてくれます。

みんなから愛されているキャラクターなので、後輩ですがキャプテンの言うことについて行こうという気持ちにさせてくれます。

そのキャラクターが演技でないことを祈ってます笑。

みんなに愛される荒川太陽選手

まとめ

改めてチームメイトであり、後輩である荒川選手の強みを考えてみると、荒川選手の本当の強みは「仲間の能力を十分に発揮させる能力」だとわかりました。

自分のことよりも相手のことを強く想い、どうすれば仲間が気持ちよくプレーできるのかを考え、実行していったことで世界で通用するレシーバーに成長したのだと思います。

スローの能力はそこまでないという中で、自分にできないことと自分にできることをしっかりと理解し、生きる道を見つけて貫いた結果が世界の「ジェットボーイ」いや「ジェットガイ」です。

「投げるだけがアルティメットじゃないよ」と教えてくれる荒川選手の活躍に今後もご期待ください。

最高の敬意を込めて、世界一のキャプテンに。

ではまた。