新人戦(U21)を勝ち抜くために必要なこと

戦術
この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、バズバレッツの雷人です。

アメリカ大統領がバイデン氏に代わりこれからアメリカでどんな変化があるか気になりますね。

今日は「新人戦(U21)を勝ち抜くために必要なこと」について考えていきます。

質問いただきました。

大学の新人戦の優勝に必要なこととか体験談を聞きたいです

体験談となると13年も前なので参考になるかわかりませんが、その辺も話せたらなと思います。

今日の記事を読むことで大会にどう臨むかというあたりを伝えられたら幸いです。

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新人戦(U21)を勝ち抜くために必要なこと

大学の新人戦は、もともと大学2年生までを出場条件とした大学生1・2年生にとって大きな大会です。

現在はU21と出場条件が変わり、21歳以下であれば出場できる大会となっておりユースチームも出場できる大会に変わりました。

大会によって試合形式が大きく変わってくるので、新人戦において勝ち抜くために必要なことを体験談を交えながら書いていきます。

2008年新人戦優勝

私は大学2年生の時、新人戦優勝を経験しています。

もちろん13年も昔の話なので参考になるかどうかわかりませんが、体験談をかすかな記憶を遡りながら書いていきます。

大学1年生で初めてまともに出場した公式の大会は新人戦でした。

1年の時は先輩(2年生)が少なく、戦力的に厳しい戦いになり最終結果は8位と奮いませんでした。その前の年は優勝、前の前の年は準優勝をしていたと聞いていたので1年生ながら悔しい思いをしたのを覚えています。

そこから「自分たちの年は絶対に優勝してやる」と思って一年を過ごしました。

その当時は予選もなく、初日リーグ戦と二日目からベスト16からのトーナメントだったと記憶しています。

1試合30分で一日4試合をこなすスケジュールで動いていました。

リーグ戦を難なく勝ち抜き、決勝トーナメントも順調に勝ち、決勝戦で宿敵中京大学とあたり最初リードされたものの逆転で優勝しました。

一年生の大活躍

当時は全日本選手権本戦が10月中旬に終わり新人戦が11月下旬というスケジュールでした。

その間は一年生を徹底的に強化します。母校ではこの時期に一年生にゾーンを教える期間になっていたのでゾーンを仕込みました。

試合時間が短い中で、時間稼ぎをしてもらうためのゾーンです。

大会本番でこの一年生ゾーンが良い形で機能し、時間稼ぎだけでなくしっかりブレイクしてくれるという大活躍が起きました。

なので、決勝戦まであまり試合に出る機会がなかったように記憶しています。

最初に自分たちでいくつかブレイクをして2〜3点の点差がついたらあとは後輩よろしくと言った感じで試合を進めていました。

新人戦を優勝できたのは急成長してくれた後輩のおかげでした。

優勝するという強い意志

前年に8位という屈辱を味わっていた自分を含め同期の中で「絶対に優勝する」という熱い気持ちがありました。

「優勝以外は最下位と同じだ」と中京大の3つ上のキャプテンが口うるさく言っていたのを真似して合言葉にしていた記憶があります。

優勝するチームの必須条件として、優勝を目標としていることは絶対に必要です。

たかが目標と思わずに、目指していないと到達できないので先輩になんと言われようが、自分たちの中で「優勝する」という強い目標を持って臨んでください。

体験談としてはこんなところです。

新人戦の勝ち抜きかた

現在のU21の試合形式がどうなっているかわかりませんが、当時は試合形式が30分と短いものでした。

先ほど2019年の本戦のパンフレットを見たところ、試合時間までは書いていませんでしたが30〜40分程度で変わってないのかなと把握しています。

試合時間や経験が浅いことを加味して、新人戦の勝ち抜きかたとして個人的に戦略を立てるとしたら絶対に「先行逃げ切り」です。

先行逃げ切りで勝つ

試合時間が短いと試合開始直後の5分10分がかなり重要になってきて、ここが試合の勝敗を分けると思っています。

最初にリードを奪うことができればかなり気持ち的に優位にプレーすることができます。

なので、私が新人戦優勝した時も「2〜3点リードするまで2年生が頑張って、点差開いたら後輩のゾーンで時間を稼ぎながら時間を消化して行く」という戦い方をしました。

公式ルールでフルの100分15点ゲームの前後半ありであれば、また全然違う戦術になるのですが30分という短い試合時間の中で勝つには最初の10分間をいかに集中して点差を離すかが大事になってきます。

また1〜2年生という経験の浅さの上でも「先行逃げ切り」は優位に働きます。

経験が浅い状態でビハインドのゲームになると、焦りや不安が生まれやすくなり冷静な判断ができなくなりさらにミスをする可能性が高まります。

追いかける展開だとターンオーバーを起こしたくないという気持ちからプレーは小さくなりがちです。

経験が浅いとなおさらそれは起こりやすくなります。(それでもバコバコシュートを打つのが新人戦の面白いところでもあります。)

新人戦で勝ち抜くには試合形式上も経験が浅いことを考えても、先行逃げ切りがベストかなと個人的には思ってます。

ゾーンオフェンスはきっちり取る

各大学新人戦はゾーンディフェンスが多い印象があります。私が出た当時も自分たちの後輩1年生ゾーンを多用していましたし(先行逃げ切りが準決勝までうまくいったので)、他大学も多用していた印象があります。

その流れは現在も引き継がれているような気がしています。

そんな中でもゾーンオフェンスをきっちりと取り切ることが新人戦を勝ち抜く上では大事かと思います。

ゾーンディフェンスは相手によって形が違いますが、キーとなるのはハンマーやシュートを恐れず投げることです。

手前でスイングしてミスするくらいならシュートやハンマーで長いパスを狙って行くほうが得策だと思います。

なんせ経験が浅いのでうまく展開したり間を抜いたりする事は難しいと思うので、それであればもう思い切ったプレーをした方が良い気がします。

そうならないようにきっちりとゾーンオフェンスも練習しておく必要がありますが・・。

鉄板の得点パターンを共有しておく

困ったときはこうやって点を取るという約束事を決めておくのも良いかもしれません。

新人戦ではチーム内でも経験の浅さから実力の差が生まれます。

この時期しっかり投げれる人もいれば、まだスローに苦労している人もいるはずです。

そんな中でも鉄板プレーを決めておくと良いです。

アルティメットは究極スローワーとレシーバーが一人ずついれば点を取ることが可能です。

いわゆるエースラインをしっかりとチーム内で共有して、困ったときはエースラインで行くと決めておけば緊急事態が起きても得点する確率は上がります。

勝つことが目的であれば、一番点が取れる確率の高いものを選ぶのが自然です。

エースラインでも点が取れないのであれば、総合的に相手チームの方が上手だったということで、ただそれだけです。

困った時のエースラインの鉄板プレーは決めておきましょう。

まとめ

まとめると「新人戦は経験年数が浅いことや試合形式を考えると、先行逃げ切りをするのが良い。ゾーンオフェンスをしっかり取ることと、困った時のエースラインを決めておくこと。手前のハンドラーのミスをするくらいなら大きく攻めるのが吉」です。

新人戦に限った話ではないところもありますが、特に新人戦ではこの辺が大事だと思います。

今回の記事は昔の感覚で最近新人戦を見た記憶がないので、古い考えになっている可能性が大です。

参考にしていただくのはありがたいのですが、もっと大切なことは自分たちで考えることです。

自分たちの戦力は?想定される対戦相手の強さや特徴は?試合形式は?一日何試合?風は吹くのか?

いろんな要素が重なってどう戦うかが決まります。

それを考えるのもアルティメットの楽しいところです。

コロナでまだどうなるかわかりませんが、ぜひ、またとない新人戦を勝ち抜くためにチームで考えてみてください。

というわけで今日はこの辺で。

ではまた。