こんばんは、バズバレッツの能勢です。
気づけば2月になっていました。
昨日は節分、今日は立春。
寒くなったり、暖かくなったりと寒暖の差が激しいですが体調管理には気をつけましょう。
さて今日は、「2020WUGCメン代表の基礎練習〜オープンミート+シュート〜」という内容です。
昨日2020WUGCメン部門代表候補の島選手がツイッターで基礎練習の一部の動画を説明やテーマなどを添えて紹介していました。
この基礎練習から読み取れる意図を解説していきます。
私自身現地にいたわけではないので、どこまで内容や狙いがあっているかわかりませんが、予測も含めて解説していきます。
2020WUGCメン部門代表合宿
先週末に富士市で今年オランダで開催される世界アルティメット選手権大会のメン部門代表候補の強化合宿が行われました。
数回の選考を経て現在30名ほどのメンバーになっており、現在も選考は進行中とのことです。
そんな日本で一番レベルの高いところで行われているであろう基礎練習の一部がツイッターにて動画付きで公開されました。
「どんな練習をしているのだろうか?」と多くの方が関心を持っていることだと思うので、今回はこの動画から読み取れることを私なりに紹介していきます。
(あくまでも推測です笑)
長めのミートのオープンスロー
まずは長めのミートへのオープンのスロー練習です。
こちらを図解すると
撮影が斜めからだと思うので多分こんな感じだと思います。
シンプルに奥に走ってカットバックして45度のオープンスローという感じですね。
テーマとしては「速いスローをしっかりと胸に投げること」と書いてありますね。
速いスローをしっかり胸に投げること
この真意としては、長めのゲインを取りたいという意図が読み取られます。
ディスクが速くなければならない理由としては大きく2つあります。
まず1つ目はディスクが遅いとその分レシーバーが走る距離が長くなり、レシーバーとディフェンダーの足の速さがディフェンダーの方が早い場合追いつかれるリスクが高くなってしまいます。
2つ目はディスクが遅いとレシーバーがディスクを迎えに行くのでゲインが短くなり、次のレシーバーとの距離が長くなってしまいます。ディスクが速くレシーバーに渡れば、ディスクを受けた選手はすぐに次のスローへの選択へ移る事が出来るため結果的にレシーブ後の選択肢が増えることに繋がるということです。
ディスクのスピードは人が走るスピードよりも速いので、ディスクスピードは速ければ速いほど良いです。
スルーザマーカーではなくオープンスローの理由
スルーザマーカーにすれば良いのかなって感じもしますが、あえてオープンスローにしているのも理由がありそうです。
これはおそらく、1対1の勝負で「半身抜けている人に出すスロー技術」を高めるためのものであると推測します。
スルーザマーカーにすると、スローワーがストーリングをかわして投げる必要があり、スロー技術プラス、スルーザマーカー技術が加わるため難易度が上がります。
オープンのスローは、ストーリングのプレッシャーをあまり受けることなく投げられます。その最低限のスローを半身抜けているレシーバーにしっかりと投げるスキルと半身抜けているところで手を伸ばして「手ミート」する技術を高めようとしている意図が感じられます。
誰でもできるスキルを高めて「当たり前のレベル」を上げる為の練習と思われます。
スローは胸の高さで、右手・左手に投げ分ける
より高いレベルで戦うためには、ただパスをレシーバーに出すだけでなく、その「クオリティ(精度)」が要求されます。
代表クラスでは、このようなオープンのパスであっても、レシーバーの胸元(手ミートし易くダイブカットされにくい)に投げることを意識します。
さらにマイナススローにならないようにレシーバーの進行方向側に、右手・左手に投げることを意識して練習します。
同じ形からそのままシュート
次の練習は、先ほど(オープンミート)と同じ状況からそのままシュートを打つ練習です。
図解するとこんな感じです。
同じ状況からシュート。
テーマとしては「浮かさないこと」と「奥に打ち込んでレシーバーを減速させないこと」とあり、”常に海外での相手を想定して練習している”と追記されています。
浮かさないこと
これはシンプルに海外の選手と上競りにならないようにする為です。
強豪国のライバルたちは日本人よりも身長の大きい選手が多いです。
浮かさないシュートを打つことで日本人にとって不利になりえる「上競り」を減らす為に意識していることです。
奥に打ち込んでレシーバーを減速させないこと
レシーバーを減速させてしまうということはすなわち相手ディフェンダーにも追いつかれてしまうということになります。
海外の選手はでかいだけなら良いのですが足も早いです。
なのでレシーバーが走っているスピードを殺さないところに打ち込むことが重要になります。
ダイブさせて取らせるぐらいのシュートが良いです。
シュート練習でレシーバーが最後に減速してキャッチしているようなシュートは海外ではほとんど通らないです。
”常に”海外での相手を想定して練習する
”常に”です。
アルティメットは相手がいるスポーツなので、どんな練習であっても相手を想定して練習することがとても重要です。
もちろん日本代表が想定している相手とは、アメリカ人やカナダ人などの強豪国の相手となります。
関連記事「大学生チームはどんな練習を取り入れれば良いか?」
実践!DFをつけてスローワーの判断でシュートかミート
最後に実践として、レシーバーにディフェンスをつけてスローワーの判断でシュートかミートに投げる練習です。
スローワーがレシーバーとディフェンスとの関係性を見て判断してスローを選択するという練習です。
テーマとしてはいたってシンプルでパスを「通すこと」です。
これがシンプルですがかなり大事なことですね。
パスを”通す”こと
これは前の2つの練習を踏まえて、どちらかのパスをしっかりと”通す”ことに重きを置いています。
そのためにレシーバーは2択を作ることが前提となっています。
まずシュートを狙い、スローワーが打たなかったという判断をして初めてカットバックしてくること、そして出されたパスをディフェンスより一歩前で取ること。
シンプルですが、これができるチームは強いです。
イメージですが、日体大のウィメンのチームはこのスキルが高いと感じてます。
ディフェンスをつけてより実践的に
ディフェンスを想定して練習する中で、実際にディフェンスをつけて練習するのが一番リアリティがあり、実戦に近づきます。
相手ディフェンダーがいる中で、スローワーが判断しスローをしっかりと通すことが試合に繋がっていきます。
自チームの練習でもディフェンスがつけられる練習があればつけてやってみるとより良い練習になるので試してみましょう。
日本代表を応援しよう
アルティメット日本代表メン部門の選手がSNSを活用して活動についての発信をしています。
ハッシュタグは「#Onefor1」で合言葉になっているようです。
このハッシュタグの選手をフォローして日本全国で応援しましょう。
応援は必ず力になります。
「一人一人が世界”1”のために!」
関連記事「チームテーマの重要性」
まとめ
今回の練習から読み取れる重要なことはやはり、「相手を想定してリアリティある中で練習する」ことに尽きます。
普段から海外の選手と戦う機会の少ない日本人にとって世界大会はぶっつけ本番になります。
その中で普段通りのプレーができるかどうかは間違いなく”普段の練習の積み重ね”です。
普段から意識して練習しておけば本番でもしっかりとしたプレーを自信を持ってできるはずです。
これは別に代表レベルだからやっていること、できること、というわけではないです。
練習の内容としてはいたってシンプルです。
ただ、どれだけの意識で取り組むかによってその内容は全く違うものになります。
ぜひ自分たちのチームに置き換えて、普段の練習の意識を変えてみてはいかがでしょうか。
練習は試合のように、試合は練習のように
それではまた👋