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シュート練習は”全力で投げる”練習ではない

基礎練習
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この記事を書いた人
能勢 雷人

大阪体育大学BOUHSEARS(2007~2010)〜文化シヤッターBuzzBullets(2011~2022)〜Bustar
ポジション:ハンドラー
日本代表歴:2010WU23UC、2011,2015,AOUC、2012,2016,WUGC、2024WMUC
埼玉県フライングディスク協会事務局長
JFDA公認ゲームアドバイザー
U.C.ABLAZERS(ユースチーム)創設

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こんにちは、雷人です。

早くも2月も半分が経過しました。2月はただでさえ短い上に祝日が2回もあるので気を抜いてるとあっという間に終わってしまいますね。気を引き締めて過ごしたいところです。

さて今日は「シュート練習は”全力で投げる”練習ではない」というテーマで書いていきます。

多くのチームが基礎練習に入れているであろうシュート練習ですが、いくつかのチームの練習を見て思うことがあったので、今日は一つの提案をしていこうと思います。

ぜひ最後まで読んでいってください。

また、シュートに関する記事は以下にも書いてますので合わせて読んでみてください。

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シュート=全力で投げる?

シュートと聞いてみなさんはどの程度の力で投げることを想像しますか?

昨年からクリニックを再始動して、大学生チームの練習をいくつか見る機会がありましたがどのチームもシュート練習となると、「より遠くに飛ばすために全力で投げる」という練習をしている印象がありました。

もちろん全力で投げることも時としてありますが、それよりも大事なのは「長いレンジのパスを確実に通す」ことです。

「思いっきり力一杯投げてパスが通す」よりも「コントロールできるパスを通す」方が簡単な気がします。

もちろん全力で投げた上でコントロールがしっかりできてパスが通るのであればそれはそれでOKだと思います。

ただ、自分たちのシュート練習で距離が長すぎてパスが通る回数が少ないのであればシュート練習の方法すら見直すべきではないでしょうか。

全力でシュートを打つシチュエーション

全くないわけではないと思いますが、試合の中で全力でシュートを打つシチュエーションはどのぐらいありますか?

シュートレンジは人それぞれですが、個人的にはそこまで多くないように思います。

それよりももう少し短いミドルレンジで抜けているレシーバーに対してシュートを打つことの方が多い気がします。

私自身の感覚としては100%のパワーで投げる場合、精度が極端に下がるのでレシーバーがそのレンジになっている時はあまりシュートを選択しません。

7〜9割程度の力でコントロールが効く状態で打てる時はシュートを選択するイメージです。(あくまでイメージです)

試合中自分はどのぐらいのパワーで打っているか考えてみてください。

ノットインで良いから通せ

バズでもよく「ノットインで良いから通せ」と言われることがありました。

シュートとなると心理的にエンドゾーンまで届かせなきゃいけないと思いがちですが、大事なことは遠くに投げることよりもシュートを通すことにあります。

それがノットインになるレンジだったとしても、エンドゾーンまで届かせようとすると力みが発生して精度が落ちてしまうことになります。

精度の良いミドルレンジのシュートか、精度を落としてでも遠くまで投げるか、選択するのは自分自身です。

奥に抜けてるのにシュートがさらにオーバー

例えばハンドラーの位置でターンオーバーを奪い、速攻を仕掛けている状態で奥に1人ガン抜けしている人がいる状態があります。

そこで興奮して思いっきりシュートを打ち込み結局レシーバーよりはるか奥にシュートが飛んでいくシーンは容易に想像できるし、実際によく見かける光景です。

そんなに欲張って打たなくても通せば良いのにという状況は少なくないと思います。

これは普段ミドルレンジのシュートの練習をしてないから調整できないのではないでしょうか?

ミドルシュート練習

シュート練習をいつもロングレンジ(全力で投げる)で行っていると、もう少し短いミドルレンジのシュートにコントロールができない状態になってしまいます。

よく日本で行われる基礎練習として「スクエアパス」「45度ミート」「ロングシュート」とありますが、この練習の中に30m〜40m程度の「ミドルレンジ」のパスがありません。

このレンジの距離のパスを通す練習もしておかないと、いざ試合でそのレンジのパスを投げるシチュエーションがきても精度の高いパスを投げることができません。

ではミドルシュート練習をどうやってやるのが良いでしょうか?

コートの半分ぐらいからシュート練習をする

シュートシチュエーションは様々ありますが、シュートのレンジがミドルレンジになるようにスタートの位置をコートの真ん中50m程度のところから始めてみるのが良いのではないかと思います。

大会の時にコート内でアップをする際にコート半分ずつでアップをすると思いますが、その時の真ん中から打つシュート練習のイメージです。

大抵のチームは自チームで練習する時に、以下画像のようにできるだけシュートが長い距離になるように、ゴールライン付近から反対側のゴールに向かって投げることが多いと思います。

ゴールライン付近からスタートした場合

それをコート半分の50m程度から始めれば自然とシュートは30m〜40m程度のミドルレンジになります。

人によりますが、この距離の中で全力でシュートを打つとコートからアウトオーバーしてしまうので、自然と距離感の調整力が身につくのではないかと思います。

真ん中あたりから始めると自然とミドルレンジになる

この距離のシュート精度を高められると、試合の時も速攻の時も力まずシュートが打てるようになりそうです。

まだ実験効果検証をしていないので確実なことは言えませんが試してみる価値はあると思います。

レシーバーが距離感を変えてあげれば終わる話なんですが、奥にスペースがあると走り込んじゃうのでこうして環境を変えることが大事そうです。

毎回シュートレンジが変わるようにする

先ほどは50m付近から始めることを提案しましたが、あくまで一つの提案です。

スタートする位置も前後10mほど変化をつけて毎回違うレンジにしたり違う位置から投げるようにするとより良いと思います。※エコロジカルアプローチ

この距離が変化する中でストレートに投げたり、クロスフィールドでボンバーのシュートを投げたり、いろんなシュートを試してみるのが良さそうです。

一定の距離ばかりを練習しているとその距離は上手になるかもしれませんが、違う距離感になった時に精度が落ちてしまうなんてことになりかねません。

ミートやスクエアもそうですが、パスの長さが毎回変わるように練習を設計することが大事なんじゃないかと思います。

試合は”いつもと違う”の連続

実際の試合は”いつもと違うこと”が連続して起こります。

普段の練習で同じ練習ばかりをしていると、”いつもと違う”状況に対応できなくなってしまいます。

基礎練習をなるべく毎回違うもの(同じ練習でも距離やタイミングや角度などを変える)にすることで、臨機応変に対応する能力を上げられるのではないでしょうか。

”いつもと違う”状況で”いつも通りに”プレーするには、”いつもと違う”状況を常に作り出して練習することが大事ですね。

まとめ

というわけで本日は「シュート練習は”全力で投げる”練習ではない」というテーマから、ミドルレンジのシュート練習について提案してみました。

日本の基礎練習は北海道から沖縄までほとんど同じような練習をしている(良いことでもある気はするが・・・)と思っています。

さらにその現象はこの十数年間アップデートされていないように思います。

それには「練習方法がわからない」というような問題もあると思うので、今日みたいな記事で新しい提案をしていけたらと思います。

もっと全国のアルティメットチームの基礎練習がオリジナルに溢れるものになることを願っています。

シュートに関する記事は以下にも書いてますので合わせて読んでみてください。

というわけで今日はこの辺で。

ではまた。