こんにちは、バズバレッツの雷人です。
今日は「ユース世代への普及や育成に力を入れる5つの理由」について書いていきます。
昨年からRising Ultimateではアルティメットに関する様々なアクションを起こしてきました。
具体的に言うと、大学生向けのプライベートクリニック・個人参加型のアルティメットスクール・埼玉県フライングディスク協会主催のナイトアルティメットの再開・総合型地域スポーツクラブへの営業(アルティメットを追加してもらうための活動)・ユースメインのアルティメットクラブチーム設立などです。
その中でも個人的にはユース世代に対しての活動は特に力を入れて行っているジャンルになります。
今日はなぜ私がユース世代への普及や育成に力を入れているのかを解説していきます。
ユース世代への普及や育成に力を入れる5つの理由
私がアルティメットの活動の中で、ユース世代への普及や育成に力を入れる最大の理由は
Rising Ultimateが目指している「日本アルティメット競技力向上」に繋がると考えるからです。
もう少し細かく分けていくと
- ユース世代の幅が広がれば自然と競技人口が増えると思うから
- ユース世代へ広まればさらに認知度も上がると思うから
- U20では世界で通用するようになると思うから
- 学校の体育でアルティメットを知ったとしても他でやる機会がないから
- 将来的に日本のアルティメット競技力向上に繋がるから
と言うことになります。
一つずつ解説します。
ユース世代の幅が広がれば自然と競技人口が増えると思うから
一つ目は「ユース世代の幅が広がれば自然と競技人口が増えると思うから」です。
現在、日本国内の競技者の人口は2012年に日本で世界大会が行われたことと、中学校と高校の学習指導要領にアルティメットが追加されたことを受けてか、2013年頃から増加傾向にあります。
JFDAの公式ガイドブックの統計情報によるとおそらく会員登録者数での数値になりますが、2013年では3,195人だったのが2020年では5,185人と約2,000人増加しています。(ちなみに2004年ごろは2,300人程度で増え始めているのは2014年から)
しかしながらその内訳を見てみると
会員数(人) | 18歳以下 | 19~22歳 | 23~30歳 | 31~40歳 | 41歳以上 | 不明 | 合計 |
男性 | 38 | 2,241 | 690 | 225 | 238 | 7 | 3,439 |
女性 | 15 | 1,316 | 292 | 78 | 43 | 2 | 1,746 |
合計 | 53 | 3,557 | 982 | 303 | 281 | 9 | 5,185 |
比率 | 1.0% | 68.6% | 18.9% | 5.8% | 5.4% | 0.2% | 100.0% |
となっております。
当然会員登録外でのアルティメットプレイヤーはいるのでもう少し実際の数は多いとは思いますが、会員登録者の約7割弱が大学生でいかに大学生がアルティメットを盛り上げてくれているかがわかります。
しかし、この表を見て私が注目したのはやはり「18歳以下」のカテゴリーです。
会員登録していない人も特にこのカテゴリーでは多いと思いますが、53人(全体の1%)っていうのは少なすぎます。
逆にここの人数を少しでも増やしていくことで、そこから大学生になっても続ける人が増えたり、社会人になっても続ける人が増えていくはずです。
ユース世代の会員登録数が増やすことが、日本全体の競技人口増加につながると思っています。
ユース世代へ広まればさらに認知度も上がると思うから
二つ目は「ユース世代へ広まればさらに認知度も上がると思うから」です。
昨年全国ユースを見に行った(参考記事「全国ユースの観戦レポート」)ときに強く感じたことですが、ユース世代のお父ちゃんお母ちゃんはめちゃくちゃ応援熱心です。
1人のお子さんに対して両親が観戦にきていれば、選手の数より保護者の数の方が多くなります。
実際に昨年の全国ユースでは保護者の応援の多さと熱さに驚きました。
我が子が大学生になってアルティメットを始めていても興味のある親は興味あるけど、興味を持ってくれない親もいます。
しかし、ユース世代になると必ず両親の応援がありますし、アルティメット についての関心もあります。(もちろん金銭的な面でのバックアップもある)
ユース世代の普及がもっと広まれば「子ども+(お父さん+お母さん+祖父母)」まで関心を持ってくれる人を増やすことができるので、アルティメットの認知度はもっともっと上がると思います。
「両親のアルティメットファンが増える」これがユース世代の普及がアルティメット界にもたらす大きな効果だと信じています。
U20では世界で通用するようになると思うから
三つ目は「U20では世界で通用するようになると思うから」です。
先日の記事「世界大会の魅力〜2010WU23UCで感じたこと」でも触れましたが、近年U20の日本代表は世界大会で思うような結果が出せずにいます。
なのにも関わらずU24にカテゴリーが上がると、世界でもある程度通用するようになります。
これは大学から始めたアルティメットで4年間努力すれば、日本のアルティメットは世界に通用するようになると言うことの裏返しでもあります。
また、日本アルティメット界がいかに世界からユース世代育成に遅れを取っているかを表しています。
大学からスタートすることが一般的な日本のアルティメットが世界でもある程度の水準まで行くのであれば、カテゴリーをU20まで下げたところでしっかりとした育成をすればU20でも良い成績を残せるようになるのではないでしょうか。
すでに近年ではユースで経験していた若い世代が大学生を押しのけてU20の日本代表入りしている傾向があります。
そうすればもっともっと代表争いも熾烈になり、世界で戦える人材が日本代表に入り世界でも結果を残せるようになると思います。
「大学から始めて日本代表になれる」と言うのは新歓をする上で鉄板の決まり文句ですが、そう言えない日はもう遠くない未来に訪れるかもしれません。(そうあるべきだと思う)
学校の体育でアルティメットを知ったとしても他でやる機会がないから
四つ目は「学校の体育でアルティメットを知ったとしても他でやる機会がないから」です。
2012年に中学校と高校の体育の学習指導要領にアルティメットが追加されて8年経ちました。
少しずつ採用している先生も増えたのか、「授業でやったことがある」と言う人や「アルティメット知ってるよ」と言う人が個人的な肌感覚ですが増えたように思います。
しかし、学校の授業でアルティメットの授業をやって「この競技面白い、もっとやってみたい」と思ったとしても、中学生や高校生がアルティメットをやる環境が日本はまだまだ整っていません。
もっと日本全国に「ナイトアルティメット」や「ユース向けのアルティメットクラブチーム」を増やすことができればそういった”興味を持ってくれたユース世代”を取り込むことができると思います。
あくまでも選択するのは本人たちですが、選択肢を作ってあげるのは私たち大人の仕事なのではないでしょうか。
「ナイトアルティメットの始め方」や「ユース向けクラブチームの作り方」などはこれから自身でしっかりと経験し、モデルケースを作り、その経験を元に発信して展開していけたらと思っています。
将来的に日本のアルティメット競技力向上に繋がるから
最後に「将来的に日本のアルティメット競技力向上に繋がるから」です。
大きな理由でも書いたようにユース世代への普及・育成は必ず日本のアルティメット競技力向上に繋がります。
単純に経験豊富な選手をU20・U24・A代表に送ることもできるようになることもありますが、認知度が上がりもっとアルティメットという競技が世に理解されるようになれば、アルティメット界にとって必ず良い方向に進むはずです。
野球をしたことのない人が大学生から始めたのと、リトルリーグから野球やってましたって高校生では高校生の方が上手なはずです。
現状の日本のアルティメットだとまだまだ草野球レベル(怒らないでください)だと思うので、ユースのレベルを上げることが間違いなく日本アルティメット競技力を上げる上で大切なことだと信じています。
大人は大人で頑張ろう
とは言え、今の大学生や社会人もしっかりとした努力をして日本のアルティメットは世界に通用するということを証明し続けなければなりません。
世界で通用するスポーツというのは少ないですし、ましてや世界一を獲れるかもしれないともなるとそこには間違いなく”魅力”が発生します。
ユース世代にその魅力を伝えるためにもしっかりと大人は大人で頑張りましょう。
それがきっと日本のアルティメットの将来に繋がります。
ただ、一線を退いたのであればユースの育成に関わってみるのも面白いのではないでしょうか。
まとめ
というわけでまとめますと、私がユース世代への普及や育成に力を入れる理由は
- ユース世代の幅が広がれば自然と競技人口が増えると思うから
- ユース世代へ広まればさらに認知度も上がると思うから
- U20では世界で通用するようになると思うから
- 学校の体育でアルティメットを知ったとしても他でやる機会がないから
- 将来的に日本のアルティメット競技力向上に繋がるから
と思うからで、最終的に日本のアルティメット競技力が向上し、世界でも強豪になれると思うからです。
そのために今自分自身でやっている活動をさらに高めていったり、その経験を発信することで同じようなことを感じて行動してくれる人が増えてくれれば、これほど嬉しいことはありません。
まだまだ私も一線を退いたわけでもなく、若いものには負けられないと思っているので、しっかりと1日1日その日できる最大限の努力をして精進していきます。
というわけで、今日はユースの普及育成は日本の未来のために必要だという話でした。
それではまた。